さる2019年1月22日午後6時頃、静岡県三島市で原付バイクと乗用車の衝突事故が発生し、原付バイクで職場から帰宅途中だった男性(50歳)が亡くなりました。
当初、この事故は交差点内において直進対向車の前で急に右折したバイクの責任とされていました。
しかし、疑問に思った遺族が懸命に目撃者などを調査し反証した結果、乗用車側に信号無視の疑いが発生して裁判となり、結局、加害者の車に搭載されていたカーナビゲーション装置の記録と信号記録の解析によって正確な衝突の日時が判明し、乗用車運転者の赤信号無視が立証されました。
さる3月15日、静岡地裁沼津支部で加害者には禁錮3年(執行猶予5年)の判決が言い渡されています。
ドライブレコーダーや街頭監視カメラ等に限らず、カーナビゲーション装置も性能によっては事故の解析に使用できることが、一般にも認知された事例と言えます。
事故の目撃者がなくドライブレコーダーなどの記録もない場合、ともすると「自分は青信号で通過した」などと虚偽の証言をして逃げたくなる心理に陥りがちですが、カーナビゲーションなどでも立証は可能ですので、常に正直に答えて事故に対応することが求められます。
(シンク出版株式会社 2021.3.22更新)
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