さる1月15日午後9時30分頃、奈良県天理市内の県道を走行していた軽自動車が、歩行中の高齢者をはねて死亡させる事故がありました。
事故の現場は、見通しのよい片側1車線の直線道路で軽自動車を運転していたコンビニエンスストア店長の女性は、「仕事のことを考えていて前を見ていなかった」と話しているということです。
この事故は、典型的な「漫然運転」による事故です。
運転中に仕事の事などの考え事をしていると、集中力・注意力が低下した状態で運転することになり、知らず知らずのうちに「心ここにあらず」の状態で運転することになります。
「漫然運転」になりますと、ボーとしていたり他のことを考えたりして運転していますので、前方を見ているのですが、実は見ていない状態で運転していることになります。
そのため、他の車や歩行者、信号などに気づくことができず、信号を見落としたりして交通事故の原因になることが多いのです。
車の運転は高度な精神活動ですから、運転中に考え事をするのは非常に危険を伴います。運転するときは、運転に集中するようにして、考え事をしないようにしてください。
(シンク出版株式会社 2022.1.20更新)
本書は金光義弘氏(川崎医療福祉大学名誉教授・NPO法人安全と安心 心のまなびば理事長)が長年の研究と実践で培った知識と経験をもとに、現在の交通問題について50の提言をまとめた1冊です。
提言は、リスクマネジメントや危機管理体制の基本、ストレスや健康管理ミスが交通事故の原因になる仕組み、これからの交通社会を担う子どもの安全教育まで、幅広いジャンルを紹介しています。
交通問題解決の指針に触れることができ、朝礼でのスピーチのネタ探しにも活用できる一冊です。