2017年に東名高速道路で一家4人を死傷させる事故を誘発した「あおり運転」の加害者に対する差し戻し裁判が横浜地裁で始まりました。
報道を見て改めて感じたことは、運転中に冷静さを失うことの恐ろしさです。
加害者の運転者は減刑を望むため「危険運転致死傷の無罪」や「衝突当時車の責任」を主張していますが、少しぐらい懲役の年数が減っても、既に人生は大きく変節していますし、自分のために目の前で2名の人が死亡したことを記憶から消し去ることは不可能でしょう。
どう転んでも、悲惨な事実を抱えて人生を送るしかありません。
人は感情的になると他人の行為を非難したり、他人に当たったり、目の前の物などを蹴飛ばして鬱憤を晴らすようなことがあります。ゴミ箱を蹴飛ばしたりするのなら問題は少ないでしょうが、運転中はまったく事情が違います。
運転は自動車という大きな動力機械を動かす危険な作業です。高速道路などはさらに非常に危険な現場にいるわけですから、それが理解できなければ運転する資格はないのです。
カッとしても、自分の心を鎮めて安全に運転を続ける以外にしてはいけない──この事実を私達に改めて教えてくれる裁判であることを自覚したいと思います。
(シンク出版株式会社 2022.2.2更新)
近年、あおり運転などによる事故が社会問題となっていますが、事故の原因の多くはドライバーが感情や不安全な行動をコントロールできず、その結果、危険な運転につながり悲惨な事故やトラブルが発生しています。
本冊子は巻頭のチェックリストにより普段の運転ぶりを自己診断することで、自分の感情や運転行動における弱点、注意すべきポイントを確認できます。
マンガやイラストを多用した解説により運転の弱点や注意点を克服するヒントが得られ、今後の安全運転に生かしていただくことができます。