最近開催された情報処理科学の学会で、自動車部品メーカーの研究として脳波や心拍波形に基づいて独自の感情モデルを想定し、自動車を運転している人などの感情を「見える化」する技術を開発したという発表がありました。
生体センサーが脳波などを読み、運転者が渋滞などでイライラしていると想定される時、多少回り道になってもスムーズに走れるルートを提案するなど、安心・安全な運転に貢献するサービス提供が考えられるということです。
安全技術の進化は喜ばしいことですが、本来、私達には自分の感情を自覚し制御する力があるはずです。
そうした力がないと、社会人として生活していくことは難しく、イライラしてもマイナスな行動に結び付けないように、感情をコントロールしていると考えられます。
しかし、運転は一人ですることが多いので、どうしても感情に引っぱられることが多いのです。そこで、ルート提案などをする機器登場を待つまでもなく、自己防衛を考えるべきでしょう。
たとえば、渋滞しそうな日は早めに出発したり予め代替コースを考えておくなど、準備をしておくことが大切です。
また、後方から割込みする車などがいて不快感を感じたとき、「とりあえず6秒我慢する」など自分に言い聞かせましょう。怒りの感情は6秒経つとピークが過ぎて自己コントロールがしやすくなると言われています。
感情や衝動の制御こそ人間の高い能力の現れだと自負して、心がけてください。
(シンク出版株式会社 2022.3.28更新)
近年、あおり運転などによる事故が社会問題となっていますが、事故の原因の多くはドライバーが感情や不安全な行動をコントロールできなかった結果、危険な運転につながり悲惨な事故やトラブルが発生しています。
本冊子は巻頭のチェックリストにより普段の運転ぶりを自己診断することで、自分の感情や運転行動における弱点、注意すべきポイントを確認できます。
イラストによる解説により運転の弱点や注意点を克服するヒントが得られ、今後の安全運転に生かしていただくことができます。