運転中に、交差点でバイクの飛出しなどにあってヒヤリ・ハッとしたとき、心臓がドキドキして、呼吸も浅くなり、しばらく落ち着いて運転できないことがありませんか?
このとき、「なんて危ない運転をしているんだ」と感じて腹も立つと思います。
最近、脳科学の研究が進み、驚いたり腹立たしい経験があると人の呼吸が浅くなるのは、脳の働きであることがわかってきました。
普段、呼吸を司っているのは脳幹で、深くて効率的な呼吸を無意識に行うことができます。しかし、怒りや不安が生じると脳の扁桃体(へんとうたい)という部分が活性化して、一時的に呼吸を浅く(短く)してしまうのです。
扁桃体の亢進で呼吸が浅い状態が続くと、十分な酸素量を肺に送り込めないまま自律神経のバランスなどが崩れてより不安や怒りが亢進したりします。アドレナリンなどの分布を促す生物としての防衛反応の一種でもありますが、注意力の減少などのマイナス面が発生すると言われています。
つまり、落ち着いて前方の状況を観察し、危険予測などをすべき状態なのに、カッカして危険なバイクの行動ばかりが頭に残り、「見れども見えず」といった状況に陥りやすくなるのです。この状態が続くと見落としや確認遅れなどのミスを誘発して、事故に結びつく恐れがあります。
ですから、運転中に不愉快なことがあったら安全な場所に車を止めて、小休止して深呼吸をしましょう。深い呼吸を取り戻すことで扁桃体の亢進が抑えられ無用な怒りも消えて、安全運転をするスキルを取り戻すことができます。
(シンク出版株式会社 2022.5.24更新)
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