片側1車線道路で前方に自分より遅い車がいると、つい追い越したくなるものですが、対向車線の車が十分に確認できない状況で追越しをかけるのは非常に危険です。
さる8月2日午後4時45分ごろ、北海道・室蘭市にある片側1車線の道道で、前車を追い越すため対向車線にはみ出した乗用車がやってきたワンボックス車と正面衝突する事故があり、子ども2人を含む5人が搬送され、乗用車を運転していた60代の男性が死亡しました。
現場はカーブ付近で、乗用車が追越しをかけたとき互いに対向車線がよく見えていなかった可能性があります。
追越しには意外に時間と距離がかかり、自分が追い越せるだろうと予測した場所では追越しが終わらずに、対向車線の車がやってきてしまうことが少なくありません。
直線で遠くまで見通しのよい場合は対向車線の車が避けてくれるでしょうが、カーブ地点では突然に対向車が現れて、この事故のように互いに回避が間に合わない危険があります。
よく追越しをかける人は、対向車線の車に減速させて事なきを得ていることが少なくないと思われます。これが誤った成功体験として習慣化し、事故に結びつく恐れがありますので、安易な追越しは極力避けるようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2022.8.8更新)
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