最近、交通事故で被害にあう人の多くが65歳以上の高齢者であることは、皆さんよくご存知だと思います。交通事故死者数の約半数は高齢者です。
高齢者の事故死者で最も目立つのは歩行中の被害ですが、次に多いのは自動車乗車中です。そして、原付乗車中の事故被害も少なくありません。
高齢運転者の事故で、他の年代の人と比べて比率が高くなるのは出会い頭事故です。
高齢運転者が指定場所で一時停止しなかったり、安全確認をしても不十分なケースが目立っています。出会い頭事故は双方のミスが重なることが多いのですが、とくに原付に乗っておられる高齢者の場合、第一当事者として高齢者自身が違反をして亡くなっている比率が非常に高いという特徴があります。
(財)交通事故総合分析センターの調査によると、高齢者の原付死亡事故の約66%は高齢者自身の違反が原因であり、その半数は一時停止しなかったケース、残りは安全不確認、信号無視、優先妨害などでした(※)。
皆さんも、運転中に一時停止のかかった交差点を平気で走行してくる高齢者の原付や軽自動車などに出会って、ヒヤリとした経験があるのではないでしょうか?
こちらが優先関係のある道路を走行していも、死亡事故を起こしては取り返しがつきません。
「高齢者の運転する車やバイクは止まらないかもしれない」と危険予測意識を高めて、相手が危険な行動をしても避けられるような配慮をしましょう。
(2011.10.11更新)
※イタルダ・インフォメーション№84「高齢者の原付事故」より
交差点とその付近は、全事故の5割以上を占める事故多発地点です。
シンク出版では、交差点を「左折」、「右折」、「直進」するときの運転ぶりをセルフチェックし、それぞれの危険度を理解することができる参加型教材、「交差点事故の危険度をチェックしよう」(一般車編とトラック編)を作成しました。