安全装置が人を油断させる?

クルーズコントロールの落とし穴

 最近は、車にさまざまな安全装備が取り付けられて、安全性を高めています。たとえば、前方の障害物を感知するセンサーなどがついていて、自動的に減速したりブレーキをかけたりする技術も実用化されています。

 

 ハイクラスの乗用車だけでなく新型のトラック等にも装備されているオートクルーズコントロールは、アクセルを踏み続けなくても速度を一定に保った運転をすることができるので、高速道路などでは大変に楽になっています。

 最新型の機器では、前方障害物を察知して自動的にコントロールを解除し、速度調整する機能もついているので、車間距離が詰まっても安心だそうです。

 しかし、こうした安全装備も万全ではなく、過信すると「落とし穴」があります。

 たとえば、障害物を感知するセンサーは、路面に置いてある三角コーン(パイロン)や歩行者など高さや面積が少ないものは見逃すことがあります。
 知り合いのあるトラックドライバーが、三角コーンによる車線減少指示がしてある場所の手前で進路変更をしようとしたとき、クルーズコントロールを解除しないまま走行し、スピードが出すぎていたため隣車線の車と接触する事故を起こしました。

 前方に渋滞などがあると自動的にオートクルーズが解除され減速するので、ドライバーはこの時も自動解除されるものと思い込んでいたようですが、センサーは三角コーンには反応しませんでした。

 自動機能に頼らず、ブレーキを踏んでクルーズコントロールを自分で解除して減速すべきだったのです。

 

 安全装備を使用していても、普段からそれを制御するのは自分自身だという意識を持って、機能を過信しないで自分の判断に基づいて行動する習慣を持つことが大切です。

 

(シンク出版株式会社 2013.2.27更新)

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