タイヤの摩耗限度が近づくとスリップしやすい

 梅雨の季節になりました。今のところ「梅雨の中休み」ということであまり雨が降っていませんが、これから本格的な梅雨になると濡れた路面を走行する機会が多くなり、スリップ事故が多発しますので油断しないようにしましょう。
 
 スピードを出せば出すほどスリップしやすくなりますが、タイヤの摩耗度も大きく関与します。すり減ったタイヤで、雨の日に濡れた道路を走行するとスリップしたり、ハイドロプレーニング現象を起こしたりして、きわめて危険な状態になります。


 下の図は、時速80キロで濡れた路面を走行したときの溝の深さと制動距離の関係を示したものですが、タイヤの残り溝の深さが、「道路運送車両の保安基準」に定められている摩耗限度の1.6ミリに近づくにつれて急激に制動距離が延びており、それだけスリップしやすい状態になっていることがわかります。
 
 皆さんご存じだとは思いますが、タイヤには残り溝1.6ミリを表す目安としてスリップサインが設けられています。このスリップサインが現れたら「整備不良」として使用禁止になりますし、車検も不合格になります。
 タイヤは、スリップ事故を防止するためにも摩耗限度ギリギリまで使用するのではなく、その前に新品タイヤと交換するようにしましょう。

(シンク出版株式会社 2013.6.13更新)

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