先日は、スピードを出すことの危険についてお話しました。スピードを出すと(とくに制限速度違反をすると)死亡事故になる率が上がります。そのとき、低速度でも交通事故は起こるとしましたが、実際に交通事故の大半は時速30キロ以下で発生しています。
危険認知速度別(※)にみた交通事故の統計では、交通事故の4件に3件(76.5%)は時速30キロ以下で発生しています。さらに、3件に1件(38.3%)は時速10キロ以下での発生です(平成24年中交通事故統計より)。
このことは、低速度でも油断は禁物であることを示しています。
先日も、北海道札幌市の市道で昼間の2時45分ごろ、時速5~10キロの低速でパトロール走行していたパトカーが、徒歩で道路を横断していた7歳の女児をはねるという事故が発生しました。幸い軽傷事故ですみましたが、パトカーを運転していた警察官のわき見運転が原因です。
駐停車車両の取締りをしていて「左側に駐車されていた車両に気を取られ、確認を怠った」ため、女の子の発見が遅れたそうです。
安全運転を指導する立場の警察官でも「うっかり」油断することがあるのです。他山の石として、私達も低速走行時に自分がわき見しやすいことを警戒しましょう。
とくに、ガソリンスタンドを探していたり、買い物のためショッピングモールに入ろうとしているときなどは、無意識に速度を落としてわき見をしやすいので注意が必要です。たとえ減速しても、「横断歩行者などがいるかも知れない」と危険を予測し、長時間前方から目をそらすことのないように気をつけてください。
※危険認知速度=事故直前に危険に気づいたときの速度
(シンク出版株式会社 2013.10.15更新)
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