■現場の安全点検を怠らないようにしましょう
年末・年始の運転業務における「非定形作業」としては、以下のようなことが予測されます。
・年末の予備動員で慣れない車両を運転する運転者がいる
・業務多忙となり、長期間休車していた車両を稼働する
・アルバイト、派遣社員の運転業務、補助業務が発生する
・年内納品などのため、急ぎの配達業務が増加する
・予定外業務で、初めての下請業者のスポット採用が増加する
このため、管理者としては口頭での指導などに留めないで、積極的に現場をパトロールしておくことが重要です。運転者の現場を見ることで、日常点検整備や出庫前の左右確認、停止線での一時停止など安全操作がきちんと守られているかをチェックできます。
また、管理者が見て回ることで運転者の意識も高まります。
さらに、長期間使用しなかった車やフォークリフトなどを臨時で使用する場合は点検をしっかりと実施しましょう。
このほか、アルバイト・派遣社員に対しても基本的な安全運転指導を実施しておくことが重要です。冬期のスリップ事故は、通勤路に慣れない派遣社員・応援社員などが惹起することも多いので注意してください。
【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】
■改正道路交通法(12月1日施行分)の周知徹底
──無免許運転への罰則強化など
6月14日に公布された改正道路交通法の一部が、12月1日に施行されます(道路交通法施行令の改正)。
今回施行されるのは、次の3点です。
■無免許運転への罰則等を強化(違反点数も25点に強化)
■ブレーキの効かない自転車の運転停止措置など
■自転車の路側帯通行は道路の左側に限定
年末の事故防止運動などの機会に、道路交通法の改正内容を知らせるリーフレットやポスターなどを配布して周知徹底し、交通安全意識を盛り上げましょう。
■「酒気残り」による飲酒運転を根絶しよう
飲酒運転への指導を徹底されていると思いますが、未だに酒気帯び運転の検挙例は後を立ちません。
「まさか、自分が飲酒運転をするはずがない」と思っているドライバーでも、酒気残りに気づかないまま運転して、思わぬ酒気帯び運転で驚くことがあります。
油断しないで、年末には、飲酒運転の根絶指導を強化しましょう。とくに忘年会などを事業所で主催する場合、以下の点を再確認してください。
●宴会の始めには、幹事が「飲酒運転の根絶」を再確認する
●事前にハンドルキーパーの人選、帰路の交通手段について報告させる
●自宅近くの駅駐車場などにマイカー・バイクを止めている人には運転
をしないように指導する(仮眠後も酒気帯び運転の可能性がある)
●多量に飲酒すると、翌朝にも酒気が残ることを強調する
■平成26年手帳・カレンダー等の配布
平成26年用の安全運転手帳、事故防止カレンダー、職場向け標語カレンダーなどを準備して、年内には配布しましょう。
■インフルエンザ予防に向けた準備
そろそろ事務所でも冬支度の時期です。運転者に配布するマスクや消毒薬、洗面所のウガイ薬、インフルエンザ予防ポスター等の配布、車内仮眠用グッズの確認などをしておきましょう。
■年末の事故防止運動
年末・年始の事故防止運動が警察署や交通安全団体の主唱で行われます。積極的に活動に参加し、安全運転意識を高めましょう。
■スリップ事故への警戒を促そう
急激な冷込みによる降雪や道路の凍結を警戒すべき時期になっています。
すでに北海道など北国では、11月からスリップによる正面衝突事故などが発生しています。暖かい地域でも、スリップ事故を警戒しましょう。
とくに、以下のような場面で凍結事故が起こりやすいので、ブレーキやハンドル・ギヤ操作を慎重にして、スリップ防止を呼びかけてください。
★1日の気温が、0℃付近を前後する日
★凍った路面が融け出す明け方と、融けていた水分が再び凍結する日没後
★交差点手前、踏切手前、坂道の信号など、車の発進・停止の多い場所
(水分の融解と凍結を繰り返している可能性があります)
★橋梁の上、日陰部分、トンネル出入口、切り通し─などで注意する
【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】
■年末年始の輸送安全総点検
国土交通省は毎年、年末の12月10日から翌年1月10日までの1か月間、自動車運送事業者はもちろん、鉄道、船舶などの全輸送機関を対象に、災害や交通事故、テロや伝染病予防などに備えた自主点検を通じて安全性向上を呼びかけています。
自動車運送事業ではとくに以下の点を重点的にチェックしましょう。業種別の自主点検表は、国土交通省のWEBサイトからダウンロードできます。
●安全管理(特に過労運転の防止対策、運転者等に対する指導・監督状況)
具体的には、
「点呼の実施(運転免許証の確認を含む )」「車両の日常点検整備」
「定期点検整備等の実施状況」
「コンテナ輸送における安全対策の実施状況 」
「バスターミナル及び自動車 道の保守点検の実施状況 」
●健康管理体制の実施状況
●飲酒運転を行わせないための安全対策の状況
●事故、自然災害等発生時の乗客等の安全確保のための通報・連絡・
指示体制の整備・構築状況
●テロ防止及びテロ発生に備えた体制の整備状況
●新型インフルエンザ対策の実施状況
■運行管理者試験の申請期限
今年度第2回めの運行管理者受験申請書の頒布期間・申請期限は12月13日(金) までです。
運転者や補助者、従業員のなかに運行管理者試験にチャレンジさせる人がいる場合は、申請を急ぎましょう。
第2回試験の実施日 平成26年3月2日(日)
受験申請の申込み先 (公財)運行管理者試験センター
日 付 | 行 事 等 |
1日(日)~ 31日(火) |
・大気汚染防止推進月間(環境省) ──例年12月は、自動車交通量の増加、ビルや家庭の暖房ほか、気象条件の影響等により、大気汚染物質の濃度が高くなる傾向にあるため、環境省では、「エコドライブの実践」など、広報活動を通じて大気汚染物質の削減を呼びかける。 (→ 詳しくは同省のWEBサイトを参照) |
1日(日)~ 31日(火) |
・陸上貨物運送事業 年末・年始労働災害防止強調運動 ──陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)の主唱する労災防止運動(2014年1月31日まで)。 交通事故だけでなく荷役作業時における墜落・転落災害防止などを推進します。詳しくは陸災防のWEBサイトを参照してください。 |
1日(土)~ 1月15日(火) |
・平成25年度 建設業年末年始労働災害防止強調期間 ──建設業労働災害防止協会が例年災害の多い年末年始に、積極的な災害防止運動を展開します。交通労災としては、現場送迎時の事故防止、路面凍結等によるスリップ事故の防止などを強調しています。 スローガン「無事故の歳末 明るい正月」 |
1日(日) |
・第14回 自動車安全シンポジウム──国土交通省では、交通事故の現状を踏まえた車両安全対策について、平成12年度より毎年自動車安全シンポジウムを開催しています。 会場:東京ビッグサイト テーマ:「いのちを守るクルマの今 ~知っておきたい安全技術とその使い方~」 |
1日(日) |
・防災用品点検の日──防災アドバイザーの山村武彦氏が提唱しています。 関東大震災の起きた9月1日のほか、3月1日・6月1日・12月1日の年4回。 |
3日(火) |
・個人タクシーの日──東京都で40~50歳で3年間無事故無違反の優良運転手173人に個人タクシーの免許が許可された日を記念して1959年(昭和34年)に制定されました。 |
3日(火)~ 9日(月) |
・障害者週間 ──12月3日–12月9日は、障害や障害のある人に対する国民の関心、理解を深めるための啓発・広報活動が行われます。今年も12月3日(火)には「障害者フォーラム2013」、12月5日(木)~6日(金)には「障害者週間連続セミナー」を始め、全国で様々な啓発行事が行われます。 |
7日(土) |
・大雪 |
9日(月) |
・障害者の日 |
10日(火) |
・12月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
10日(火)~ 1月10日(金) |
・年末年始の輸送等に関する安全総点検(来年1月10日まで) ──国土交通省は毎年、輸送機関に対して自主点検等を通じた安全性の向上を呼びかけています。(※詳しくは、同省のWEBサイトを参照してください) |
12日(木) |
・バッテリーの日──電池工業会が設定。野球のバッテリーの守備位置数字が1、2であることから。(※自動車バッテリーの基礎知識については同会のWEBサイトを参照してください) |
15日(日) |
・観光バス記念日──1925年(大正14年)のこの日、東京で初の遊覧乗合自動車(観光バス)が登場しました。 |
15日(日)~ |
・年末年始無災害運動(来年1月15日まで) ──厚生労働省後援のもと中央労働災害防止協会が主唱する運動、今年で43回目を迎えます。今年の共通標語は、「あせる心はOFFにして 安全ONで年末年始」 (※詳しくは、中災防のWEBサイトを参照してください) |
16日(月)~ 1月15日 |
・年末年始港湾無災害強調期間──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による年末年始の事故防止活動。 |
20日(金) |
・道路交通法施行記念日 ──1960年(昭和35年)のこの日、道路交通法が施行されました。それまで交通行政は1947年制定の「道路交通取締法」により、各都道府県の行政処分基準などにはバラつきがありました。 |
22日(日) |
・冬至 |
23日(月) |
・天皇誕生日 |
25日(火) |
・クリスマス |
27日(金) |
・官庁仕事納め |
……………… |
…………………………………………………………………… |
12月上旬 |
・平成25年1~10月の労働死亡災害発生状況(厚生労働省) |
12月中旬 |
・平成25年10月末における交通事故発生状況公表(警察庁) |
◆12月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)
1日 (日) |
福岡 17:10 | 大阪 16:47 | 東京 16:28 |
15日(日) | 福岡 17:12 | 大阪 16:49 | 東京 16:29 |
30日(火) | 福岡 17:20 | 大阪 16:57 | 東京 16:38 |
★「おもいやりライト=早めの点灯」
運動に取り組みましょう!
12月は最も日が短くなる時期で、早い場所では日没が4時半ごろ。
3時台でも点灯が早すぎることはありません。「おもいやりライト」の精神で早めのライト点灯を習慣にしましょう。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動を展開する動きが出ています。
※詳しくはおもいやりライトのサイトを参照してください