皆さんは、運転中に何かの考え事をしていて、ボーッとして運転していることはありませんか?
前は見ているつもりでも、標識や信号などをはっきり認識していないこともあり、交通事故に結びつくと「漫然運転」という事故原因になります。
交通心理学を研究する帝塚山大学の蓮花一己教授が、車に同乗して任意にチャイムを鳴らし運転中のドライバーに「今何について考えていましたか?」と聞く簡単な調査をしたところ、約7割の人が「運転以外のことを考えていた」と回答したそうです。
工場などの通常作業(慣れた作業)をしている労働者に同種の質問をした調査でも、7割近くの人が「作業とは別のことを考えていた」と回答したとのことです(中災防・全国産業安全衛生大会の講演より)。
考え事といっても「昼食は何を食べようか」とか「明日の天気はどんな様子だったかな」といった単純な考え事が多いようですが、運転操作など慣れ親しんだ作業をしているとき、7割近くの人は、作業とは別のことを考えていると言っても過言はなさそうです。
大抵の場合は、考え事をしていても無意識に状況変化に反応し、事なきを得ています。しかし、うっかりとして信号や歩行者などを見落とす恐れもないとは言えません。
さる11月2日も、川崎市中原区の路上で午前9時半ごろ、横断歩道を渡っていた小学2年生の女児と会社員女性が信号無視のトラックにひかれて重傷を負いました。トラックの運転者は「考え事をしていて赤信号を見落とした」と供述しています。
こうした事故に結びつく危険があるので、運転中には考え事をしがちな自分を意識し、自己コントロールすることが大切です。
「コメンタリー運転」など呼称運転(確認喚呼)をすると、他の想念があるときにも脳の意識は運転へ戻ってくると言われています。運転中は常に「運転に集中しよう」と自分に言い聞かせるとともに、呼称運転などを取り入れることも考えてみましょう。
(シンク出版株式会社 2013.11.11更新)
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