最近、自動車事故の法律が変わったというお話は以前もしましたね。自動車運転死傷行為処罰法という名前で5月20日に施行されました。この法律で、「病気の影響による」事故にも危険運転致死傷罪が適用されるようになりました。
去る6月7日に札幌で起こった交通事故の時に、病気を理由にして危険運転致死傷罪が初めて適用されました。
26歳の男性運転者が、運転中に「てんかん」によるけいれん発作を起こして対向車線にはみ出し他車と衝突、相手に打撲傷などを負わせた疑いです。
男性運転者は、「いつ発作を起こすかとビクビクしながら運転していた」と供述し、疾病の影響により事故を起こす恐れへの自覚があったので、危険運転傷害罪により逮捕されました。しかも、この男性は無免許運転でした。
病気の影響による危険運転致死傷罪は最高で20年の有期懲役刑(死亡事故の場合15年以下の懲役+無免許運転の加重5年)となりますので、罰金ですむ場合もある過失運転致死傷罪とは全く扱いが違ってきます。
病気の症状は、「てんかん」「統合失調症」「躁うつ病」などのほか「糖尿病による低血糖症」「SASなど重度の睡眠障害」も含まれ、他人事ではありません。
持病を持つ方は、眠気を感じたり気分が悪くなった場合、即座に運転を中止して回復を待つなど慎重に行動してください。
(シンク出版株式会社 2014.06.16更新)
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