日本の高速道路では、登り坂でスピードが落ちる貨物車などが左側に設けられている登坂車線に入って、スピードの速い後続車の走行を妨げないようにするのが一般的です。
しかし、この方法ではスピードが落ちる車が車線変更しなければならず、登坂車線から走行車線に戻る際などに事故のリスクが高くなることが以前から指摘されていました。
また、登坂車線の途中にインターチェンジやSAなどがあると、登坂車線を横切って流出することになり、こうした場所では低速車との事故のリスクがさらに高まります。
このため、ヨーロッパなどではスピードが速い車が車線変更して、遅い車を追い抜くことが一般的になっています。
つまり、移動の自由度が高いスピードの速い車が、あまりスピードの自由度のない遅い車を追い抜くという発想なのです。
日本でもここにきてやっと、Nexco中日本が中央自動車道の一部の登り坂区間で、左側へ登坂車線を設けるのではなく、右側に車線を付加して右側追越し方式を試験的に採用すると発表しました。
これによって、事故のリスクが軽減することが検証されれば、登坂車線での右から追越し方式が全国的に拡がっていきそうです。
(シンク出版株式会社 2016.2.26更新)