渋滞に巻き込まれて、自分がいる車線よりも隣の車線のほうがどんどん進んでいくと、隣の車線に行きたくなるときがありますね。
このとき、後続車が来るまでのわずかな隙間を狙って車線変更をしますから、微妙なタイミングになることが珍しくはありません。
さる5月20日午前8時15分ごろ、大阪市阿倍野区の路上で渋滞を避けようと車線変更した乗用車が、左側を走行していた大阪市バスの右前部と接触する事故がありました。
乗用車の運転者としては、バスが来る前に入れると思ったのでしょうが、後続のバス運転者がまさかこのタイミングで入ってくることはないだろうと判断すると、一瞬ブレーキ操作が遅れることもあります。
朝の出勤時間帯に渋滞に巻き込まれたりすると、少しでも空いている車線のほうに行きたいという気持ちになるのはわかりますが、こうした先急ぎの気持ちになったときこそ、心のスキが生まれ、強引な運転につながりやすくなります。
空いている車線に車線変更したからと言っても、そんなに時間が短縮されるわけではありません。渋滞中は急な車線変更をしないようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2016.5.25更新)
──監修:杉原厚吉(「計算錯覚学の構築」チームリーダー)
小冊子「錯視・錯覚に注意して事故を防ごう」は、下り坂が上り坂に見えるなど、運転中におこる錯視・錯覚を具体的に紹介した、事故防止教育教材です。
5つの問題に回答を記入したのち、解説を読んでいただくと、「運転中の錯視・錯覚」について簡単に理解していただくことができます。
巻末には、「錯視・錯覚」をどれだけ意識して運転しているかを確認できるチェックリストを設けています。