道路脇にある駐車場や工場などから右折して道路に合流することがありますが、このとき左から走行してくる二輪車を見逃したり、無視したりしますので注意が必要です。
駐車場などから右折して行くときに、まず安全確認するのは歩道上の自転車や歩行者などです。それから手前にある車線からくる車の存在をチェックしますよね。手前の車線は右から車が来ますので、右側を重点的に見ます。
それらがすべて安全であると確認できたら、右折していく向こう側の車線の安全確認をしますが、この車線は左から車が来ますので、左側を重点的にチェックします。
ところが、右折する運転者から左側を見ると、手前の車線越しに見ますので、どうしても遠くに見えてしまいます。そのため二輪車が来ていても、遠くにいるような錯覚に陥ることがあります。
また、運転席から左側を見るとピラーの死角に二輪車が入っていることがあり、見落としてしまうこともあります。
道路脇にある駐車場などから右折して道路に合流していくときには、道路の右側の安全確認ばかりでなく、左側の安全確認もしっかり行うようにしてください。
(シンク出版株式会社 2016.6.10更新)
──監修:杉原厚吉(「計算錯覚学の構築」チームリーダー)
小冊子「錯視・錯覚に注意して事故を防ごう」は、下り坂が上り坂に見えるなど、運転中におこる錯視・錯覚を具体的に紹介した、事故防止教育教材です。
5つの問題に回答を記入したのち、解説を読んでいただくと、「運転中の錯視・錯覚」について簡単に理解していただくことができます。
巻末には、「錯視・錯覚」をどれだけ意識して運転しているかを確認できるチェックリストを設けています。