ときどき、一般道路で後部座席に家族を乗せている乗用車を見ると、シートベルトを着用していない場合があることに気づきます。
危ないと感じますが、皆さんの家庭では大丈夫ですか?
先日、交通事故の民事裁判例集を読んでいたら、シートベルト非着用だったため被害者の損害賠償額を減額されたという例がありましたので紹介します。
裁判例は交差点で発生した乗用車同士による右直事故のケースで、直進車の後部座席にいた80代の女性が亡くなりました。
右折した車が直進車を確認していなかった過失が原因であることに争いはなかったのですが、両方の運転者は軽傷ですんだにもかかわらず、亡くなった女性がシートベルトを着用していなかったことが争点となり、過失相殺の結果、遺族に支払われる賠償額を1割減額することが認められました。
直進車は亡くなった女性の孫が運転し、3世代家族で同居して家事も引き受けていた元気なお祖母さんだったということです。シートベルトを着用していれば亡くならなかった可能性もあり、本当に残念です。
非着用は運転者の過失ですから、遺族としては金額よりも精神的な面で辛いのではないかと思います。
運転者自身はベルトを着用しても後部座席の確認はおろそかになりがちです。大切な人の命を運んでいることを考えて、必ずシートベルトの着用を確認しましょう。
(シンク出版株式会社 2017.6.28更新)
本テキストは、プロのトラックドライバーとして知っておかなければならないマナーとモラルについて解説しています。
運転場面や得意先での対応場面など15事例を収録し、イラストでマナーの悪い例やモラルの低いドライバーの姿を描いています。
これらの事例がどんな問題につながるか、ドライバーが考えて記入する参加型の教材となっていますので、マナーやモラルの必要性を効果的に理解することができます。
監修:酒井 誠
(一般社団法人 日本トラックドライバー育成機構代表理事)