10月の運転管理──2018年(平成30年)

■夜間の歩行者事故を防ごう


4月の安全運転管理

 日が短くなり、夜間事故の多発が懸念される時期です。

 車が上向きライトで走行していれば防ぐことができたと思われる歩行者の横断死亡事故が多く発生しています。こまめにライトを切り替えるよう注意しましょう。

 

 労働衛生週間の機会には、運転者の心身の健康について配慮する職場の態勢作りに努めましょう。

 長時間労働は、運転者の精神にも大きな影響を与えることを意識しておきましょう。

 

 また、今年は異常気象や台風が目立ちますので、10月も引き続き、暴風や豪雨災害について指導しましょう。

  

10月の安全運転目標/運転者の皆さんへ

上向きライトを活用しよう

■死亡事故のほとんどが下向きライトで発生

雨の日のバイクスリップ

 ヘッドライトの「走行用ビーム」と呼ばれる正式な灯火は上向きライトをさします。

 下向きは「すれ違い用ビーム」であり、対向車などに眩しくないよう配慮して減光している状態ですから、対向車や前走車などがいなくなったら、すぐに上向きに戻す必要があります。

 

 ところが、対向車が絶えない道を走行する機会も多いので、いつの間にか下向きライトが当たり前になってしまい、そのまま暗い郊外道路に入っても減光したまま走行する車が多いようです。このことも、歩行者事故多発の要因と言われています。

 夜間の歩行者死亡事故のほとんどは下向きライトの車が起こしているという統計データもあります。

■高齢歩行者は下向きでさらに見落としやすい

雨の日のバイクスリップ

 下向きライトで見える視認距離は一般に40m(上向きライトでは100m)と言われていますがこれは視認条件がよい場合の数字です。

 

 下向きライトでは明るい服装をした人の場合は約38mの距離で発見できますが、黒っぽい色の服装では26mまで近づかないと気付きません。

 一方、反射材を着用した人の場合、下向きライトでも57m以上先で反射材が視認できます。

 

 高齢者の場合、多くが黒っぽい服装をしています。下向きライトで走行していて、26mの至近距離で高齢歩行者を発見したときには、衝突を回避できない恐れが高まります。

 上向きライトに戻すことが、いかに重要であるかがわかります。

  

10月の重点管理目標/管理者の皆さんへ

運転者の心身の健康に配慮しよう

労働衛生週間2018

 10月1日から1週間は、全国労働衛生週間が実施されます。

 平成30年度のスローガンは「こころとからだの健康づくり みんなで進める働き方改革」となっていて、9月の準備期間を含めた重点推進事項として、以下のポイントが挙げられています。

 

 ① 過重労働による健康障害防止対策

 ② メンタルヘルス対策の推進

 ③ 治療と仕事の両立支援対策の推進

 ④ 有害な化学物質に対する健康障害防止対策

 ⑤ 石綿による健康障害防止対策

 ⑥ その他:職場における腰痛予防対策、

       職場における受動喫煙防止対策

 ※詳しくは、中災防のホームページを参照。

 

 最近、とりわけ重視されているのが、長時間労働・荷重労働による健康被害とメンタル面での悩みです。定期健康診断やストレスチェックの結果を軽視しないで、問題を抱えている運転者に対しては職場や家庭で対策を練るように働きかけましょう。

 

 心身の健康問題は安全運転の確保に大きな影響を与えますが、長時間労働などで疲れている運転者が精神的に追い詰められた場合、最悪では自殺してしまうという事例もあります。

■こんな自殺事例があります

自動車専用道路に自転車が

【車内事故の指導を苦に運転者が自殺

 名古屋市のバス運転者が、長時間労働(月平均60~70時間の時間外労働に従事)が続いていたことに加え、車内での乗客の転倒事故に関して警察や上司から事情を聴かれたことで心理的な負担が増し、2007年6月に焼身自殺しました(当時37歳)。

 

 この事件に関して2013年に遺族が名古屋地裁に公務災害認定の提訴を行い、一審では棄却されていましたが、2016年4月、名古屋高裁は公務と自殺との因果関係を認め、公務上災害が認められました。

 

【バス運転者が飲酒検知後の取り調べ・聴取を受け自殺

 東京のバス会社に務める運転者が会社のアルコール検知でチェックされ、その後、下車勤務中の取り調べ、自宅訪問などで精神的に追い詰められ、10日後の2008年7月にビルから飛び降り自殺しました。

 

 遺族は下車勤務による精神障害が原因として労基署に労災申請したものの一度は棄却されましたが、地裁に提訴し2015年2月に東京地裁で自殺を労災によるものと認定する判決が下りました。 

  

10月の健康管理目標/従業員の皆さんへ

目の健康に留意しよう

重量物作業での腰痛防止

■ドライアイになりやすい現代人

 

 10月10日は目の愛護デーです。目の健康について考えましょう。

 

 現代人に多い目の病気として「ドライアイ」という症状があります。

 ドライアイは多彩な症状があり、文字通り目が「乾く」という訴え以外にも「目がゴロゴロする」「目が開けにくい」「疲れる」という症状もあります。

 失明に繋がる病気ではないとされていますが、目の不快感は運転にとってマイナスです。

 

 ドライアイを悪化させる三要因として次の3つがあると言われています。

 

 1つはエアコンです。低湿度や低温は、涙の蒸発を亢進させるのでドライアイを悪化させます。

 冬場になるとドライアイが悪化するのはそのためですが、冬以外でも、エアコンの効き過ぎや送風を直接受けるような環境はよくありません。

 

 2つ目はコンタクトレンズ。コンタクトレンズは、薄い涙の膜をレンズの表面と裏側の2つの層に分けるので、薄くなった涙の層が目の表面をより不安定な状態とすると言われます。

 

 3つめは「コンピュータ」です。 コンピュータ作業を日常長く行うとドライアイが生じやすくなります。 

 

 ドライアイの治療には、ただ水分を補給すればよいというわけではなく、様々な点眼薬がありますので、眼科医に相談しましょう。

 

 症状の悪化防止のため、生活上で心がけることは、部屋の保湿(乾燥させないこと)やエアコンの使用を時々休むことです。

 また、コンピュータやタブレットのディスプレイを長時間見続けないように心がけましょう。

 

※この記事は公益社団法人・日本眼科学会の「目についての健康情報」 ページを参考にしました。

  

その他の管理・指導項目

豪雨時の水没危険
イラストは気象庁提供/リーフレット「雨と風」より

■記録的短時間大雨情報に注意しよう

 

 最近、台風や前線などの影響で大雨警報が発表されるなかで、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測したり、解析したりしたときに、各地の気象台から「記録的短時間大雨情報」が発表される例が増えています。

 

 この情報が発表されたときは、該当地域で、土砂災害や浸水害、中小河川の洪水害の発生につながるような猛烈な雨が降っていることを意味し、災害の現実的危険が迫っています。

 

 実際にどこで災害発生の危険度が高まっているか、気象庁WEBサイトの「警報の危険度分布(土砂災害浸水害洪水害)」等で確認する必要があります。

 通勤や配達などのため車を運行するのは危険な場合があり、運転者に対しては速やかに運行を中止したり安全な場所に避難するよう指示してください。

 

 ただし、記録的短時間大雨情報が発表された場合、すでに屋外は猛烈な雨となっていて遠くへ避難することも危険な場合があるので、近隣のより安全な場所や建物へ移動するなど、情報をもとに的確に危険を把握して判断・指示するようにしましょう。

 

記録的短時間大雨情報

 

※上の図は気象庁ホームページより引用しました。詳しくは → こちらを参照

  

事業用自動車の運行管理者のみなさんへ

■スペアタイヤの点検・整備に努めましょう

タイヤの落下は後続車の事故を誘発する
タイヤの落下は後続車の事故を誘発する

■今年10月より大型自動車の定期点検が義務づけ

 国土交通省は、平成30年6月27日に自動車点検基準を改正し、大型トラック・大型バスのスペアタイヤ、ツールボックス等の定期点検を義務づけました(平成30年10月1日施行)。

 3か月毎の定期点検でチェックが必要となります。 

 

 改正の背景には、2017年10月道路上に落下した大型車のスペアタイヤに起因する死亡事故が発生したことがあります。取付装置の劣化により、大型トラックからスペアタイヤが落下し、それに乗り上げた後続車の乗員が事故に巻き込まれ死亡しました。

 改正前の自動車点検基準ではスペアタイヤ等に関する定めがなく、点検は義務づけられていませんでした。

 

 改正により、3か月毎に行う定期点検内容として以下のポイントを定めました。

 ・スペアタイヤの取付装置に緩み、がた、損傷がないかをスパナ、目視、手で揺するなどして

  点検する

 ・スペアタイヤが傾きや緩みなく確実に取り付けられているかを目視、強く押すなどして点検

  する

 ・ツールボックスの取付部に緩み及び損傷がないかをスパナ、目視などにより点検する

   (※トランクルームに置いたスペアタイヤについては取付装置がないので、点検の対象外)

 

※詳細は、国土交通省のWEBサイトを参照してください。 

  

10月の安全運転管理ごよみ/2018年(平成30年)

日  付 行 事 等

 1日(月) 

 7日(

・全国労働衛生週間

 平成30年度 労働衛生週間スローガン  

 「こころとからだの健康づくり みんなで進める働き方改革」

 ※詳しくは、中災防のホームページを参照してください。

 1日()~ 

 31日(水)

・体力つくり強調月間──スポーツ庁が、国民の健康・体力づくりを推進するため、行事や広報活動などを通じて啓蒙キャンペーンを行います。

 1日()~ 

 31日(水)

・全国不正軽油撲滅強化月間──軽油に灯油・重油等を混入する行為など悪質な脱税行為を防ぐキャンペーン月間(軽油引取税全国協議会が主導)

 1日()~ 

 31日(水)

・自動車点検整備推進運動強化月間 ──9月の全国共通実施月間に引き続き、10月の1か月間も多くの都道府県で地域独自の点検・整備啓蒙運動が実施されます。

 2日(

運送事業の安全に関するシンポジウム

 会場:昭和女子大学・人見記念講堂(東京都世田谷区太子堂1)

 主催:国土交通省

 入場無料/定員1,000名 

  事業者報告・九州旅客鉄道株式会社、株式会社ウエスト神姫 他

 (土)

 7日(

・第49回全国白バイ安全運転競技大会

 会場:ひたちなか市・安全運転中央研修所

 主催:警察庁

 7

・盗難防止の日──(一社)日本損害保険協会が提唱。

「盗(10)難(7)」からの語呂合わせで自動車盗難や車上ねらい、住宅侵入盗などに対する防止策を呼びかけています。

 8日(

・寒露(かんろ)

 8日

・体育の日 (10月の第2月曜日)

 9日(火)

トラックの日── 「トラック」の「ト(10)」と「ク(9)」を取って制定。各地のトラック協会でトラック輸送への理解を深め安全を推進する各種行事を開催しています。

 9(火)

・10月の製品安全点検日 

 経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

 10(水)

・目の愛護デー ──運転者にとって、目の健康はとても重要です。この日を機会に目を大切にすることについて考えてみましょう。

 10(水)

・全国トラック運送事業者大会(第23回)──全日本トラック協会主催、

 全国のトラック運送事業者約1,500人が参加予定です。

  於:香川県高松市/サンポートホール高松 など 

 11(木)

・安全、安心なまちづくりの日/全国地域安全運動(毎年10月11日~20日)──地域社会における安全を守るため、防犯活動の推進に向けた啓発活動を行います。

 12(金)

石油機器点検の日
 15日(

助け合いの日──全国社会福祉協議会により制定。日常生活での助け合いや、地域社会へのボランティア活動参加を積極的に呼びかけます。

 15日(月)~

 12月6日

平成30年度(第2回)運行管理者試験 おまかせ申請受付期間 

 通常の書類申請受付は11月9日から。詳しくは、運行管理者試験センターのwebサイトを参照してください。

 16日(火)

・NASVA安全マネジメントセミナー

 主催:NASVA(独立行政法人 自動車事故対策機構

 開催時間:11:45(受付開始)~17:10

 会場:東京国際フォーラム ホールC(東京都千代田区丸の内3丁目)

 「ヒューマンエラー防止に向けた取組み」他

 17日(水)~

 23日(火)

・薬と健康の週間──「医薬品を正しく使用すること」の大切さを訴える週間。車やフォークリフトなどを運転をするときには、薬の副作用などを確認するとともに、必要な薬は正しく服用しましょう。

 21日

・あかりの日──1879年にトーマス・エジソンが京都八幡町(現・八幡市)産の竹を使って白熱電球を完成させた日にちなんでいます。

 

 車のライトを点検し、早めのライト点灯を心がけましょう。

 23日(火)

・霜降(そうこう)

 23日(火)

 29日

・高圧ガス保安活動促進週間──経済産業省・高圧ガス保安協会などが、

 毎年、高圧ガスの保安活動の促進を呼びかけます。

 高圧ガス保管者は、点検・確認を徹底して高圧ガスによる災害を防ぎましょう。貨物運送事業者は、タンクローリー、バラ積みトラック等における高圧ガス移走時の保安対策を進めてください。

 24日(水)

・交通事故総合分析センター 第21回交通事故調査分析研究会

 開催時間:10:30~17:05  

 会場:JA 共済ビル カンファレンスホール(東京都千代田区)

 27日(土)

 28日(

・第50回 全国トラックドライバー・コンテスト

 主催:全日本トラック協会

 於:自動車安全運転センター 安全運転中央研修所 

 31日(水) ハロウィン──古代ケルト人に由来すると言われる魔除けのお祭。

 近年日本でも仮装、コスプレ祭りとして人気を呼び、経済効果が高まっていますが、ドライバーは夜間に若者の歩行者等が都心部で増加すること等に十分気をつけましょう。

   
 10月中旬~下旬 ・平成30年9月末における交通死亡事故発生状況(警察庁)

 9月~11月下旬

過重労働解消のためのセミナー(厚生労働省委託事業)──長時間労働削減対策などに必要な知識やノウハウ、取り組み事例の紹介。各都道府県別に各回100名定員で開催(大都市圏は複数回実施)されます。 

 詳しくは、過重労働解消セミナー運営事務局のWEBサイトを参照してください。

 9月2月中旬

荷役災害防止研修会(カゴ車・テールゲートリフターの安全作業

  ──(陸災防各都道府県支部)

 10月下旬

・平成30年8月末の労働災害速報陸上貨物運送事業労働災害防止協会

平成30年8月分 トラック輸送情報国土交通省

 

 ◆10月の日没時刻国立天文台天文情報センターによる)

1(月) 福岡 18:04

大阪 17:43

東京 17:26

札幌 17:17

 15(月

福岡 17:45 大阪 17:24 東京 17:06 札幌 16:53

 31(水)

福岡 17:28

大阪 17:06

東京 16:47

札幌 16:29

早めのライト点灯で事故防止
「早めにつけよう おもいやりライト
 運動に取り組みましょう!

 秋の日はつるべ落とし──10月は日没時刻がどんどん早くなって、1か月前より50分以上も早く日が暮れる地域があります。早めの点灯を意識して、歩行者や自転車の見落としを意識してください。

 

 早めに点灯するあなたの思いやりが、交通事故減少に結びつきます。遅くても日没の30分前には、ぜひ点灯するとともに、夕刻に増える交通参加者を警戒して運転してください。

 
 「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。


 詳しくはおもいやりライトのサイトを参照してください

 

 また、JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
 JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。

 ※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください

 
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11月20日(火)

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