8月は、高速道路の利用車両が増加し、渋滞や故障車への追突事故が多発します。
高速道路走行の安全確保には前方への危険予測が欠かせないことを再確認して、停止車の存在を意識させましょう。
また、安全運転管理面では過労運転を防止する管理・指導が重要です。休憩、休息が十分にとれるような余裕を持った運行計画を整備しましょう。
健康面では、甘い物・炭水化物の摂りすぎに注意し、バランスのよい食事を心がけてください。
8月の重点管理目標 | 過労運転を防ぐ対策をとろう
8月の健康管理目標 | 「血糖値」を意識しよう
高速道路の停止車両を意識しよう
■歩行者の存在にも気を配る
夏休みのレジャーや帰省の車が多いため、高速道路では渋滞が多く見られます。
渋滞や慣れない長距離ドライブによる故障などで停止する車両が増えることを意識しましょう。
停止車両の危険には以下のパターンがあります。
1のパターンでは、電光表示板などで渋滞を予測していないとカーブの向こうなどに突然停止車両が出現して減速が間に合わなくなることもありますので、表示には常に気を配りましょう。
2のパターンは、路肩などに車を寄せて停止しているケースが多いのものの、故障車両の乗員が車両の周りにいることがあるので、注意して側方を通過しましょう。
また、夜間では路肩停止の車が走行している車に見えて、誤って追突してしまう事故が発生していますので、気をつけてください。
3のパターンでは中央分離帯付近に車が停止しているケースもあります。
前車が急に進路変更する場合、こうした停止車両を避けようとしていることがあり、前車との車間距離を十分にとっていないと、自分は避けることができなくなります。
また、夜間はなるべく上向きライトを使用する必要があります。車間距離を十分とっていれば、前車が眩しいこともないので、自己防衛のため上向きライトを基本としましょう。
■チェックリストを見て、高速道路での運転ぶりを反省しましょう
過労運転を防ぐ対策をとろう
■サービスエリアなどでの休憩を早めにとらせる
8月は暑さが厳しく、体力を奪われる時期です。健康な運転者であっても、疲労から眠気を覚えたり、過労のまま運転を続けて事故に結びつくリスクが増大します。運転者の休憩や休息期間などの管理・指導には特に気をつけて下さい。
過労運転に陥りがちな運転者は、長期に渡って睡眠不足が続いていたり、残業などが続くことで疲れが蓄積している人です。
次の点に配慮しましょう。
■一瞬の居眠りで6人が死傷!
2019年6月13日午後1時10分ごろ、滋賀県竜王町の名神高速道路で、大型冷凍車を運転していた男性(33歳)が一時的に居眠運転に陥り、渋滞最後尾で低速走行中だった乗用車に追突、はずみでトラックに衝突させ、乗用車を運転していた男性と後部座席の女性2人の計3人を死亡させる事故が起こりました。
このほか乗用車助手席の男性やトラックの運転者にも重軽傷を負わせました。
事故を起こした運転者を自動車運転処罰法違反(過失致死傷罪)で起訴した大津地検の訴状によると、運転者は事故の約15分前、大津市内の名神高速を走行中に眠気を覚え、一時的に前方注視が困難になっていたということです。
運転者が眠気を覚えた地点と事故現場の間には複数のサービスエリアなどがあることが確認されましたので、眠気を感じてヒヤリとしたとき運転者が休憩していれば、被害者の3人は亡くなることはなかったのではないかと思われます。
「血糖値」を意識しよう
血糖値について意識していますか?
血糖値は血液中のドウ糖の濃度をさし、食前・食後で変動しています。
低すぎると低血糖、高すぎると高血糖を引き起こし、意識混濁などにつながり運転や業務などにも支障が生じます。
糖尿病の人でなくても、私達は知らないうちに糖分をとりすぎて肥満や生活習慣病になるリスクを高めがちですので、注意しましょう。
極端に糖分摂取を減らすダイエットは、逆に健康へのリスクを高めますが、糖分を管理する意識をもつことは重要です。
■炭水化物を急に摂りすぎない
血糖値を上昇させる食品として挙げられるのが、炭水化物です。
昼食にラーメン・ライスなどでお腹をいっぱいにするということを繰り返していると、糖分過多の食生活となります。なるべく野菜・海藻や肉・魚などもたくさん摂ってバランスを考えてください。
また、食事の順番も重要と言われています。空腹状態からいきなりご飯、パンなど糖質主体で食べる癖を改めましょう。血糖値が急上昇しやすいのです。
短時間で食べるのもよくありません。食事時間が短いほど血糖値の上昇スピードは早くなります。
■間食・ジュースに注意
小腹がすいたとき菓子パンを食べる習慣のある方も要注意です。
菓子パンは非常にカロリーが高く、ほとんどが糖分として摂取されますので、なるべく他の物でお腹を落ち着かせましょう。
間食で栄養バランスがいいのはチーズと言われています。食事間隔が開いてどうしても我慢できないとき、小分けに食べられるチーズを持っておくとよいでしょう。
また、健康のために良いと野菜ジュースや果汁100%ジュースなどを毎日飲むことを習慣としている人がいると思いますが、こうしたジュースには糖分が200cc中で20g以上入っているものがあるので注意が必要です。
成分表示をよく確認して、糖分が多ければ飲む量を加減し、本物の野菜や果物をとるように努めましょう。
飲料として、牛乳は食後の血糖値上昇を抑える効果のあることが判明しています。乳脂肪が気になる人は豆乳などを飲むようにしてみてください。
※この記事は、厚生労働省の運営するe-ヘルスネットを参考に作成しました。
■「秋の全国交通安全運動」の準備を
すすめよう
9月21日から、秋の全国交通安全運動が実施されます。今年は保育園児の被害事故や高齢運転者の加害事故が相次いだため、未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策が公表されていますので、これらも踏まえた活動を実施しましょう。
期間中の安全活動プランと配布・掲示する資料などを8月中には準備しておきましょう。
今年の実施要項は以下のような内容です。
○運動期間
平成30年9月21日(土)~30日(月)までの10日間
○交通事故死ゼロを目指す日
9月30日(月)
○全国運動重点
※詳しくは、内閣府のWEBサイトを参照してください。
■アンダーパス・川沿い道路では注意を
8月は7月と並んで台風などの災害が多く、川沿いでバスが転落したりアンダーパスに入った車が水没して運転者が死亡する事故が発生しています。
台風の襲来情報に備えて、以下の点を運転者に確認しておきましょう。
とくに、災害時の走行経験の少ない若い運転者や臨時採用の運転者に対して、リスクの高い経路の走行を指示しないように管理者は配慮しましょう。
たとえ遠回りになっても、安全な幹線道路を中心に経路を設定し、台風接近時は大きなサービスエリアや安全な道の駅などを退避場所に指定しておきましょう。
【貨物自動車運送事業の管理者向け】
車両制限令改正に伴う特車規制の緩和
2019年3月、国土交通省は車両制限令を改正し、道路管理者が道路構造上で支障がないと認めて指定した区間に限定して、車両制限値を引き上げることにより、一定の要件を満たす国際海上コンテナ車(40ft 背高)の特殊車両通行許可を不要とする措置を創設し、2019年(令和元年)7月31日から運用を開始しました。
指定される区間は、車高に対して高さが足りない問題や曲線カーブ半径が小さすぎるといった物理的問題がないと判断された重要物流道路全区間のうち85%を占める3万キロ程度です。
高速道路が1万2200キロ、直轄国道が1万5000キロ、港湾・空港へのアクセス道路2800キロとなっています。
特殊車両通行許可不要の指定区間は同省が以下のWEBサイトで公表しています。
【バス事業の管理者向け】
実質的な「下限運賃割れ」を防ぐ措置
国土交通省は旅客自動車運送事業等報告規則などの改正を行い、貸切バス事業者の「手数料等」の調査体制を強化しました。
貸切バス事業者が旅行会社など運送の申込者に対して交付する「運送引受書」の記載事項に、旅客運送に関する手数料等の額を記録することを義務づけました。今年8月1日から施行されます。
貸切バス安全対策として、同省では割引による実質的な下限割れ運賃を防止し、旅行業者などとの取引環境適正化を図るため、手数料等の額に関する取引書面の保存を義務づけました(2016年11月~)。
しかし、貸切バス巡回指導などで手数料書類の未保存などが多く見られ、抜本的な対策となっていないため、より厳しく手数料率の把握・監視に努める方針です。
2020年4月から貸切バス事業報告書にも手数料等の総額記載を義務づけます。
※詳しくは国土交通省のWEBサイトを参照
注)「手数料等」とは貸切バス事業者が元請け事業者や旅行会社、販売代理店などに支払うマージンの全体
を指し、販売促進費、広告宣伝費、協力金等の名目で支払を求められるものを含みます。
日 付 | 行 事 等 |
1日(木)~ 31日(土) |
・道路ふれあい月間──国土交通省では毎年8月を「道路ふれあい月間」として、道路の正しい利用や道路愛護活動の推進に努めています。 「この道は 世界につづく ゆめとびら」 「真っ白な 地図に描こう マイロード」 「ふるさとの 未来を託す 道がある」 |
1日(木)~ 31日(土) |
・食品衛生月間──厚生労働省では、毎年食中毒の発生しやすい8月に 食品衛生管理の徹底を呼びかけています。 |
~ 9月30日 |
・2019年度 港湾労働安全強調期間──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による全国安全週間に呼応した活動。港湾内の事故防止活動を推進。 ●本年度のスローガン 「新たな時代に PDCA みんなで築こう ゼロ災職場」 詳しくはこちらを参照してください。 |
1日(木) |
・夏の省エネ総点検の日 |
2日(金) |
・交通科学研究会 地域交流会(鳥取県) 「高齢者の交通行動と社会基盤を考える」 於:鳥取県立生涯学習センター県民ふれあい会館研修室(定員30名) 〒680-0846 鳥取県鳥取市扇町21番地 13時30分受付 14時~16時50分 詳しくは、同研究会のWEBサイトを参照してください。 |
5日(月) |
・タクシーの日──大正元年(1912年)のこの日、東京有楽町で日本初のタクシー会社(タクシー自働車株式会社)が設立され、メーターを装備したT型フォード6台で営業を開始しました。 |
7日(水) |
・第54回 交通安全子供自転車全国大会──児童・生徒の自転車事故防止活動の一環として全日本交通安全協会が主催。都道府県代表が安全運転を競い合います。於:東京ビッグサイト |
8日(木) |
・立秋 |
10日(土) |
・道の日──大正9年の同日にわが国で最初の道路整備の長期計画がスタートしました。 |
10日(土) |
・健康ハートの日──「ハー(8)ト(10)」の語呂合わせから日本心臓財団などが制定。心臓病に対する予防知識を啓蒙します。夏の間に心と体のチェックをして、心臓病の多発する冬に備えましょう。 |
11日(日) |
・山の日──国民の祝日の一つ。2016年(平成28年)1月1日施行の改正祝日法で新設されました。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています |
12日(月) |
・振替休日 |
13日(火) |
・8月の製品安全点検日 ──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
15日(木) |
・終戦記念日/全国戦没者追悼式 |
16日(金) |
・鹿沼市車水没事故から11年──2008年8月16日、群馬県鹿沼市の市道で軽乗用車が冠水中のアンダーパス道路で水没し女性が死亡しました。本人と目撃者から1110番通報がありながら警察や消防の初動ミスがあり、救助隊が出動していなかったことが明らかになり、豪雨時における冠水の危険と車両誘導の課題が浮き彫りになりました。 |
18日(日) |
・飛騨川バス転落事故から51年──1968年8月18日、岐阜県加茂郡白川町の国道41号で観光バス複数が土砂崩れのため立ち往生し、2台が土石流に押し流されて飛驒川に転落、犠牲者は104人でした。被害者は自賠責の対象とされ、国家賠償訴訟で国の過失6割、不可抗力4割と認定されました。国道における防災体制が整備される契機となり、その後、異常気象時の通行止め規制も強化されました。 |
19日(月) |
・バイクの日──政府の交通安全対策本部が二輪車の交通事故撲滅を目的に制定しました。この日を中心に、全国で二輪車の安全運転講習会等が展開されます。 |
20日(火) | ・交通信号の日──昭和6年(1931)のこの日、東京銀座と京橋に3色の交通信号機が設置されました。 |
23日(金) | ・処暑 |
25日(日) |
・令和元年度 「第1回 運行管理者試験」 詳しくは、(公財)運行管理者試験センターのWEBサイトまで。 |
25日(日) |
・福岡市/海の中道大橋飲酒運転事故から13年──2006年8月25日、福岡市東区の海の中道大橋で、会社員の乗用車が飲酒運転をしていた福岡市職員(当時22歳)の乗用車に追突され海に転落、同乗していた3児が死亡する事故が起こりました。加害者は救助をする意思もなく逃走を図り、飲酒の事実を隠蔽しようとしましたが、危険運転致死傷罪と交通法違反を併合した懲役20年の刑が最高裁で確定しました。その後、「飲酒逃げ得」を防ぐため飲酒運転とひき逃げの罰則が強化されました。 |
25日(日) | ・徳島道マイクロバス事故から2年──2017年8月25日、鳴門市の徳島自動車道で路肩に停車中のマイクロバスに居眠運転の大型トラックが追突し、高校生ら16人が死傷する事故が発生し、元トラック運転者には禁錮4年の実刑判決が言い渡されました。長時間にわたり高速道路上に停車したバス運転者やバス会社の責任が問われ、「指導・監督指針」の内容改正にも反映されました。 |
25日(日)~ 31日(土) |
・道路防災週間──道路防災に関する広報活動が行われ、道路施設・設備点検、防災訓練などを行います。 |
30日(金)~ 9月5日(木) |
・防災週間──防災に対する知識を普及・啓発するとともに、防災行動へと結びつける取組みが全国各地で行われ、異常気象時における通行規制図などが自治体から配布されます(内閣府)。 |
~9月 |
・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」期間 厚生労働省が主唱する熱中症予防対策キャンペーンは、5月1日から9月30日まで実施されています。 |
~9月10日 |
・交通安全ファミリー作文コンクールの募集 (6月20日より募集、応募締切は9月10日──詳しくは、警察庁のWEBサイトを参照) |
~9月30日 |
・夏の省エネキャンペーン──6月より実施/エネルギー消費の大きなピークの季節を迎え、省エネキャンペーンが行われています。 |
8月下旬~
2020年2月 |
・令和元年度「過労死等防止・健康起因事故防止セミナー」 全日本トラック協会、都道府県トラック協会主催。経営者及び運行管理者等を対象に昨年度とカリキュラムを変更して全国各地で実施。過労死等防止計画の概要説明並びにドライバーの健康管理について、専門的な立場から解説する。申込みは、各トラック協会か陸災防支部へ。 |
8月中旬 | ・2019年7月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
8月下旬 |
・2019年6月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆8月の日没時刻(国立天文台天文情報センターによる)
1日(木) | 福岡 19:19 |
大阪 19:01 |
東京 18:46 | 札幌 18:57 |
15日(木) |
福岡 19:06 | 大阪 18:47 |
東京 18:31 |
札幌 18:38 |
31日(土) | 福岡 18:46 |
大阪 18:27 |
東京 18:11 |
札幌 18:13 |
8月は暦の上ではもう秋ですから日の入りが早くなってきます。日中は暑いので、夕刻・夜間に出歩く人が多い季節です。お祭りなど夏の行事も多く歩行者も浮かれていますので、早めのライト活用を意識して、周囲に警戒を促しましょう。
早めに点灯するあなたの思いやりが、交通事故減少に結びつきます。遅くても日没の30分前には、ぜひ点灯するとともに、夕刻に増える交通参加者を警戒して運転してください。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
また、JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください