自動車運転者を使用する事業所への監督・指導が増加

■トラックで19%、バスでは27%増──厚生労働省

自動車運転者を使用する事業所への監督・指導の結果
表は厚生労働省の資料より

 厚生労働省がこのたび公表した「2018年の自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況」によると、監督実施事業場6,531件のうちトラックが5,109件と全体の8割弱を占めました。

 次いで、ハイヤー・タクシーの462件、バスの350件となっています。

 

 トラックに対する監督指導はここ3年間で増加傾向にあり、2018年は対前年比18.9%の増加です。旅客自動車も前年より増加し、バスは26.8%増、ハイ・タクは18.1%増でした。

 

 トラック運送事業所では、労働基準関係法令違反が83%を超え、また改善基準告示違反が67%弱ありました。

 

 バス事業所では法令違反が74%を超え、ハイ・タクは85%近くと高率です。

 いずれも改善基準告示違反はトラックより少なく、バスが全体の50%強、ハイ・タクが32%強となっています。

 

■最大拘束時間の違反がトップ、休息期間にも問題あり

 改善基準告示違反のうちもっとも目立っているのが最大拘束時間で全事業所の46.4%、トラックでは51.2%を占めています。また、総拘束時間も全事業所で38.8%、とくにトラックでは43%を超えています。

 このほか、休息期間の違反は32.4%であり、トラックでは37.4%、バスでも15.4%あります。

 

 また、厚生労働省が監督・指導を行った具体例として以下のような事例が挙げられています。

●長時間労働を行わせている恐れのあるトラック運送会社に監督・指導を実施

 概 要

■運転者の1日の拘束時間が16時間を超え、1か月の総拘束時間が最長315時間、

 また、1か月120時間を超える時間外労働の実態が認められた。

健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、健康を保持

 するために必要な措置について、医師の意見を聴いていない。

指導内容

  1

36協定の限度時間を超えて、違法な時間外労働を行わせていたため、是正を指導し

 た。また、過重労働による健康障害防止対策として長時間労働の削減について併せて

 指導

指導内容

  2

運転者の1日の拘束時間が16時間及び1か月の総拘束時間が293時間を超えている

 ことについて是正を指導した。

指導内容

  3

健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、健康を保持するため

 に必要な措置について、医師の意見を聴くよう是正を指導した。

指導後の

会社の

取り組み

荷主と交渉し、配送ルートを改善した結果、拘束時間が短縮された。また、時間外労

 働時間の実績を月内に適切に把握し、月80時間を超えそうな場合には運転者を交代さ

 せると等により、特定の運転者の拘束時間が長くならないよう勤務体制の見直しを

 行った結果、時間外労働が36協定の限度時間以内かつ80時間以内、1か月の総拘束時

 間が293時間、1日の拘束時間が16時間以下となった。

健康診断で異常の所見があると診断された労働者について、医師の意見を聴取した。

   ※労働基準法第32条・ 改善基準告示・労働安全衛生法第66条の4などを指導 

■重大な違反による送検は59件

 なお、重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのものは59件あり、トラックは前年比8件減の42件、バスは2件増の4件、ハイ・タクは1件減の5件、その他が8件となっています。

 

 送検された事案の例は以下のようなパターンです。

●事例1 トラック死亡事故が発生 → 1か月に120時間を超える違法な時間外労働

捜査経過

■積荷搬送中に衝突事故を起こし死亡したトラック運転者が所属する事業場

 運転者の事故直前の就労状況等を確認した結果、当該運転者を含む複数労働者に36協定の限度時間を超え1か月最大120時間程度の違法な時間外労働を行わせていた。 

■過去の監督・指導においても、違法な長時間労働について是正指導を受けており、

様の法違反を繰り返し発生させていたことから、悪質と判断し送検した。

法令違反=被疑事実 

■事業場(法人)及び代表取締役

 36協定の限度時間を超えて、労働者に時間外労働を行わせたこと。

 → 労働基準法第32条(労働時間)の違反

●事例2 バス運転者の過労死が発生 → 1か月に最大150時間の違法な時間外労働

捜査経過

■バス運転者が勤務中に、脳血管疾患により死亡したとする労災請求がなされた。 

この運転者が所属する事業場に立ち入り、発症直前の就労状況等を確認した結果、の運転者を含む20名超について、36協定の限度時間を超え、1か月最大150時間程

法な時間外労働を行わせていたことが判明した。

■過去の監督指導においても、違法な長時間労働について是正指導を受けており、同様の法違反を繰り返し発生させていたことから、悪質と判断し、送検した。

法令違反=被疑事実 

■事業場(法人)及び代表取締役

 36協定の限度時間を超えて、労働者に時間外労働を行わせたこと。

 → 労働基準法第32条(労働時間)の違反

※詳しくは、同省のwebサイトを参照してください。

 【関連記事】

★参考ページ★

 

  →  貨物自動車運送事業法を一部改正(2018.12)

  →  改善基準告示違反で多くの会社が事業停止に(2018.8) 

管理者向けの指導・監督資料については  → こちらを参照

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