さる10月28日午後2時ごろ、長野市の国道を走行していた軽乗用車が、道路右側から電動車いすに乗って横断してきた高齢女性をはねて死亡させる事故がありました。
事故の現場は、片側1車線の見通しのよい道路ですが、事故当時は交通量が多く、電動車いすの高齢女性は横断歩道のない場所を渡っていたということです。
軽乗用車を運転していた男性は「電動車いすの女性が横断しているのが見えなかった」などと話しているということです。
自動車と電動車いすとの事故は少なからず起きていますが、その背景には、自動車の運転者から電動車いすを発見しにくいことあります。電動車いすは、歩行者や自転車などと比較すると背丈が低いために、車の死角や街路樹などに隠れてしまいがちで、発見するのが困難な面があります。
もう一つは、横断歩道もない場所では、頭の中に横断してくる歩行者などはいないだろうという考えがあり、横断者に対する注意が希薄になっている面もあります。
電動車いすの利用者は、これから先も増えていくと思いますので、横断歩道のない場所でも電動車いすの人が渡ってくるかもしれないと考えて注意を怠らないようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2020.11.11更新)
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