前方の停止している車に追突する事故などを調べていると、停止車両に気づいたときに慌ててブレーキを踏んでも間に合わずに追突する事例が少なくありません。
まさしく、気づいたときには時すでに遅し、といった状態になっています。
それでは、本当にブレーキを踏む時点まで一切停止車両に気づいていないかと言えば、決してそういうわけではありません。ずっと前から追突した車両の存在は認識しているのですが、それを危険な存在だとは認識していないのです。
つまり、ドライバーがまさか止まっていないだろうと考えていたり、漫然と運転して危険に対する認知能力が低下していたりすると、そのままスピードを落とさずに進んで行ってしまうのです。
最初に認識した段階で、少し変だなと感じてアクセルを戻してスピードを落としていれば、意外と追突を避けられることが少なくありません。
走行スピードに応じて停止できるまでの距離は決まっていますので、その距離に近づく前にブレーキを踏めば、確実に追突事故を避けることができます。
前方に少しでも異変を感じたら、すぐにアクセルを戻してブレーキを踏む準備をしてください。
(シンク出版株式会社 2020.11.17更新)
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