毎年、日本損害保険協会が発表する「全国交通事故多発交差点マップ」には、さまざまな交差点の危険が報告されています。
なかでも事故多発地点として特徴的なのは、立体交差の下の交差点が目立つ点です。
こうした立体交差は多くが大交差点ですが、高架の太い橋脚があり、ドライバーにとっては死角が増えるだけでなく、交差点内が暗くて見えづらいなど、歩行者や自転車を見落とす危険が高まります。
また、大交差点では右左折のカーブが緩やかなため運転者が減速しないで曲がる傾向があり、一方で遠くにいる自転車や歩行者が自車のピラーの死角に隠れていても、あっという間に接近してしまうため、発見したときには避けにくいといった危険があると指摘されています。
立体交差の大交差点では、歩道橋が残っていて歩行者は横断しない場所があるものの、自転車は走行しますので「車しかいないだろう」と油断しないことが大切です。
立体交差下の危険を認識し、意識的に速度を落として自転車や歩行者などの見落としを警戒しながら走行しましょう。
(シンク出版株式会社 2021.10.25更新)
本書は金光義弘氏(川崎医療福祉大学名誉教授・NPO法人安全と安心 心のまなびば理事長)が長年の研究と実践で培った知識と経験をもとに、現在の交通問題について50の提言をまとめた1冊です。
提言は、リスクマネジメントや危機管理体制の基本、ストレスや健康管理ミスが交通事故の原因になる仕組み、これからの交通社会を担う子どもの安全教育まで、幅広いジャンルを紹介しています。
交通問題解決の指針に触れることができ、朝礼話題のネタ探しにも活用できる一冊です。