連日、新型コロナ感染症の患者増や災害・局地紛争の情報など、暗い報道があふれています。
人はこうしたニュースに触れ続けると、先行きの不安感に襲われてどうしてもネガティブな思考に陥り、心理的ストレス増加の原因になると言われています。
実際に、厚生労働省が行った「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査」でも、6割以上の人が心理的ストレスの増加や不安感の亢進に悩んでいることが明らかになっています。
ストレスの影響は思わぬところに現われる危険があります。たとえば、自分や家族が感染することや濃厚接触者になって登校できない、出勤できないようになるのでは、などの心配で集中力が途切れると、仕事上のミスをしてしまうことがあります。
運転中も、ストレスが見落としや漫然運転に陥る原因となる恐れがあります。
心理学ではこうした状況を改善するため「ストレスコーピング」といった考え方から、不安感等にしなやかに対処して被害を少なくする方法が模索されています。その一つは、自分が受けているストレスを客観的に分析して、ポジティブな方向に自分自身の心を誘導していくことです。
コロナ禍などは自分が不安になっても仕方ないと割り切って、運転時は危険要因を積極的に探すことに集中するなど、前向きに運転業務を行いましょう。
(シンク出版株式会社 2022.1.25更新)
ストレスとの付き合い方がうまくいかないと、イライラしたり、身体にも不調が現れるなど、日常的に様々な悪影響が出てきます。
その一方で、ストレスにうまく対処し、付き合っていくことで、心身への負担を軽くすることも可能です。
本冊子では、健康心理学の研究成果をもとに「ストレス構造」の仕組みを知るとともに、仕事やプライベートで感じやすい6つの代表的なストレス要素について、ストレスにうまく対処し、付き合っていく方法を学ぶことをねらいとしています。
(監修:金光義弘/川崎医療福祉大学名誉教授)