一時停止しない車を警戒しましょう

 

 さる6月13日午後3時前ごろ、福岡市博多区で路線バスと軽乗用車が衝突する事故がありました。

 

 女性が運転する軽乗用車が一時停止をせず信号のない交差点内に進入し、右側から優先道路を走行してきたバスと出会い頭に衝突しました。

 この事故でバスの乗客11人のうち2人が軽傷だったほか、軽乗用車に乗っていた女の子が腹部に軽い痛みを訴えるケガをしました。

 

 後続車のドライブレコーダーに事故の一部始終が撮影されていて、ニュースにもなりましたので、見た人も多かったと思います。

 軽自動車はまったく減速せずに交差点に入っていますが、路面には赤い色で「止まれ」の道路標示が大きく描かれていて、見落としとは思えません。

 

 軽自動車の一時不停止違反が原因であることは明らかとはいえ、実際に出会い頭事故が発生するのはこのように一時停止と安全確認を守らない車が多いからです。信号のない交差点を通過するときには、危険予測を怠らないようにしましょう。

 

 相手に非があるとはいっても、民事の損害賠償責任では交差点に優先側で入った側が過失ゼロとはいかない場合があります。

 この交差点は見通しが悪い場所でしたので、優先側も減速したり徐行することが期待され、同じ程度の速度で衝突した場合は標準的な損害賠償負担の原則からみて「基本2割」の過失相殺を覚悟する必要があります(※)。

 

 安全運転は、相手が危険な行動をしても避けられる行動を目指すことで達成されます。見通しの悪い場所ではとくに警戒しましょう。

(シンク出版株式会社 2022.6.15更新)

(※民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準・全訂5版/別冊判例タイムズ38)

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12月10日(火)

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