今月の運転管理/令和6年4月(2024年4月)

横断歩行者の事故を防ごう


 

 新年度を迎えて、自動車運転者にも働き方改革が適用されます。管理者は、改正の趣旨を理解し、運転者の労働環境に配慮しましょう。

 

 また、4月は全国交通安全運動が実施されます。重点的なテーマは歩行者の保護と自転車の安全です。とくに運転者には横断歩道での歩行者優先を徹底し、危険な横断の歩行者にも、危険予測で対処するように、重点的な指導を実施してください。

 

 健康面では、イヤホンの長時間使用や大音量による耳への悪影響が問題となっています。

 外耳道の健康を守るため、耳への過剰な刺激を控えるようにしましょう。 


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4月の安全運転目標──運転者の皆さんへ

横断歩道通過時のルールを守ろう

 歩行者がいるかいないか「わからない」ときは減速

 あなたは、信号のない横断歩道に近づいたとき、横断歩道通過時のルールをきちんと守っていますか?

 

 信号のない横断歩道の手前で歩行者がいることに気づいたら、一時停止する義務があります(道路交通法第38条)。

 そして、横断歩行者がいるかいないか「わからない場合」つまり、いないことが明らかでない場合は、横断歩道手前で停止できる速度にまで減速して近づくことが求められます。 

 横断歩道をそのまま通過できるのは、歩行者がいないことが明らかな場合のみです。

 

 しかし、実際には、横断歩道を渡ろうとして歩道で待っている歩行者がいるのにもかかわらず、そのまま通過する車が非常に多いという現状があります。

横断歩道での停止率ワースト5

2023年における「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況」(JAF調査より)

──全国の平均停止率は45.1%


●こんな事故が起こっています

 このように、横断歩行者を優先し保護しようという意識が低いため、登下校時に横断歩道を渡っていた小学生などが停止しなかった車にはねられる事故が多発しています。

 

●通学の小学生3人がはねられる

 さる2月20日午後2時30分頃、静岡県焼津市の市道で、下校中に横断歩道を渡っていた小学4年の女児3人が軽乗用車にはねられ、このうち2人が重傷を負いました。

 

●反射材をつけた横断中学生を轢過

 さる2月8日午後5時50分頃、福島県猪苗代町の国道で、信号機のない横断歩道を渡っていた13歳の男子中学生が大型トラックにはねられ、骨盤を骨折するなどの重傷を負いました。

 当日の日没時刻は5時9分で、周囲はかなり暗かったとは思われますが、その後の調べで現場近くには街灯があり、中学生が反射材を着用して横断していたことがわかりました。 

横断歩道での歩行者事故

●歩行者を妨げると「横断歩行者等妨害等違反」になります

 道路交通法では、

「車の運転者は、横断歩道を横断または横断しようとする歩行者等のため、横断歩道の直前で一時停止し、かつ、歩行者の横断を妨げないようにしなければならない」と定められています(道路交通法38条第1項)。

 この規定に反し、横断歩道を横断または横断しようとする歩行者がいるにもかかわらず、横断歩道の直前で一時停止をしないで歩行者の横断を妨害すると、横断歩行者等妨害等違反となり、違反点数2点が付加されます。

 

 これは、自転車横断帯を横断しようとしている自転車に対しても同じです。 

 横断歩道等のルールを遵守し、歩行者・自転車の事故を防ぎましょう。

横断歩行者の保護

横断歩行者等妨害等

下の項目をチェックし、すべてハイとなることを目指してください

・信号のない横断歩道に近づいた場合は、アクセルを離し左右を確認する

右左折時に横断歩道を横切るときは、一時停止して左右を確認する

・自転車横断帯の側に待っている自転車がいたら、停止して道を譲っている

・路面のダイヤマーク標示を見たら、横断する歩行者の存在を予測している

・夜間に信号のない横断歩道に近づくときは、歩行者の見落としを警戒する

・歩道の歩行者が横断歩道前で静止していても、歩行者の横断を優先する

・横断歩道の手前に停止車両がある場合は、一時停止して確認する

・通学路ではこどもがいないと見えても横断歩道の手前では減速する

 ハイ・イイエ

 ハイ・イイエ

 ハイ・イイエ

 ハイ・イイエ

 ハイ・イイエ

 ハイ・イイエ

 ハイ・イイエ

 ハイ・イイエ


  

4月の重点管理目標──管理者の皆さんへ

●春の全国交通安全運動に参加しよう

歩行者を保護する運転の徹底

 

 春の全国交通安全運動が4月6日(土)から15日(月)までの10日間に渡って実施されます。

 事業所では、地域の交通関係団体の主催する活動などに積極的に参加し、運転者啓発資料の配布などを進めましょう。

 

 今年の運動の全国重点としては、こどもを中心に、歩行者の安全確保が重要なテーマとなっています。  

  1. こどもが安全に通行できる道路交通環境の確保と安全な横断方法の実践
  2. 歩行者優先意識の徹底と「思いやり・ゆずり合い」運転の励行
  3. 自転車・電動キックボード等利用時のヘルメット着用と交通ルールの遵守

があげられています。

 全国交通安全運動の推進要綱(内閣府)は、こちらを参照

令和6年 春の全国交通安全運動

歩行者優先意識を高めよう

 

 交通事故の減少率が停滞し、今年は若干増加傾向にすらあります。中でも、こどもや高齢者が道路横断中、車にはねられる事故が多発し、問題視されています。

 

 交通事故死者数全体をみると、歩行中の割合が最も高くなっています。ただし、歩行者側にも走行車両の直前・直後横断や横断歩道外横断、信号無視等の法令違反が認めらます。

 

 運転者に対しては、歩行者優先意識の徹底とともに「思いやり・ゆずり合い」運転の励行を促していくことが必要です。

 さらに、歩行者や自転車、電動キックボード利用者等の無謀な横断などに対する危険予測意識を高めることも重要です。

 

 なお、運動期間中の4月10日(水)は「交通事故ゼロを目指す日」となっています。

春の全国交通安全運動2024

自転車利用者、電動キックボードに対するヘルメット着用を指導しよう

 

 昨年4月1日から、自転車に乗るときのヘルメット着用がすべての人で努力義務になっていますが、自転車通学の児童生徒などを除き、依然として着用率は低いようです。

 自転車乗用中におけるヘルメット非着用時の致死率は、着用時と比較して約2.4倍と高くなっています。

 また、昨年7月1日から特定小型原動機付自転車(いわゆる「電動キックボード等」)の交通ルールが定められましたが、こちらもヘルメットの着用については、努力義務となっています。

 

 自転車やキックボード等利用者の安全を守るため、事業所でも交通安全運動期間中などをとらえて、積極的にヘルメット着用を促す活動を展開しましょう。

 また、自転車通勤の従業員などを中心に、正しいヘルメットの着用講習会などを開くと効果的です。 

自転車安全講座

  

4月の健康管理目標──従業員の皆さんへ

●耳への過剰な刺激を控えよう

イヤホンの使いすぎは、外耳炎の危険が

 

 最近、スマートフォンで音楽やポッドキャスト、SNS動画などを楽しむ人が増えていますが、人前ではイヤホンを使う機会が増えざるを得ません。

 

 しかし、あまり頻繁にイヤホンを使用していると、外耳道の皮膚が過度に刺激され外耳炎になる危険性が高まります。

 

 かつては、補聴器が原因で外耳炎になるケースが多かったのですが、最近は聴力の良い人でも、イヤホンが原因でなるという例が増えているそうです。耳の中がかゆかったり、軽い痛みなどを感じるときには、イヤホンの使用を控えましょう。

 

 なお、イヤホンを使う場合は付着した汚れを拭き取って清潔に保ち、長時間の連続使用を避けるようにしましょう。

イヤホン外耳炎

 綿棒による耳掃除は避けよう

 

 綿棒や爪などで耳あかなどを無理に取ろうとする行為も、外耳炎の原因となることがあります。

 

 耳鼻科医は、一般に「耳かき棒や綿棒などを耳の中に入れるのは良くない」とアドバイスしています。耳あかを無理に取ろうとして、かえって耳の奥に押し込んでしまったり、外耳道を傷つける恐れがあるからです。

 

 綿棒を耳の中に入れるのではなく、耳たぶや耳穴の周りを綺麗にするために使用することをすすめています。

 耳あかが気になる人は、耳鼻科医にとってもらうのが安全です。

外耳炎

運転中のイヤホンは危険です

 

 なお、運転中にイヤホンで音楽を聞いている人を見かけます。この行為は、道路交通法では明確に規制されていませんが、踏切警報音や緊急自動車のサイレンなど、外部の音が聞こえないと安全運転に支障をきたすおそれがありますので、こうした習慣がある人は改めましょう。

 自転車・バイクや電動キックボードに乗る場合も同じです。

 

 地域によっては、都道府県条例で明文化して使用を禁止している場合があります。

 『大音量で、またはイヤホンもしくはヘッドホンを使用して音楽を聴くなど安全な運転に必要な音または声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車または自転車を運転してはいけません』(神奈川県警察道路交通法施行細則)

 

 また、大音量のイヤホンが習慣になると、外耳炎だけでなく「イヤホン難聴」になる危険もありますので、気をつけましょう。 

ヘッドホン・イヤホン

※この記事は、以下のサイトを参照しました。

 ●「耳の病気」 ( 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 WEBサイト)

 ●「難聴(なんちょう)」(厚生労働省/e-ヘルスネット)

 ●「イヤホン難聴」の恐れ 大音量/長時間 内耳の細胞破壊 WHOも警告(東京新聞 WEBサイト)

  

その他の管理・指導項目

■36協定の更新をして、運転者の時間外労働を管理しましょう

 運転者(従業員)との間に36協定を締結している事業所もあると思いますが、今年4月からは、自動車運転者の時間外労働時間の上限規定が施行されますので、更新時に内容の見直しが必要です。

 

 36協定は、4月1日届出など、届出日には決まった提出期限はありません。使用者は労働者(労働組合)と協定を締結した時点で届出を提出することが可能です。

 ただし有効期間を定める必要があり、期間は1年間が限度ですので、例えば昨年度に「2023年4月1日から2024年3月31日まで」と締結していたのであれば、4月1日の起算日までに必ず36協定届を更新して提出することが大切です。

 

 なお、毎年3月の年度末と4月の年度初めには、労働基準監督署の受付窓口が来庁者で非常に混雑します。厚生労働省では、電子申請の活用をすすめています。

36協定の電子申請

 デジタル庁によって整備、運営されている「e-Gov」の申請画面に沿って、パソコンから36協定などが申請できますので、活用しましょう。

 詳しくは、厚生労働省の「労働基準法等の規定に基づく届出等の電子申請について」のページを参照してください。

 また、36協定届けの新様式は、同省のWEBサイト──主要様式ダウンロードコーナー (労働基準法等関係主要様式)から書式そのものがダウンロードできます。

 

 自動車運転者の36協定の場合は「様式第9号の3の4(一般条項)」と「様式第9号の3の5(特別条項)」の2種類をダウンロードする必要があり、限度時間を超えて上限を年間960時間とする場合は「特別条項付」の協定を結ぶ必要があります。 

■令和6年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を開始

4月の準備期間から「真夏日」の予報

 

 厚生労働省は、職場における熱中症予防対策を徹底するため、労働災害防止団体などと連携し、5月から9月まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施し、4月はその準備期間となっています。

 

 気象庁の今年の天候見通しによると、今夏も記録的な高温となる恐れがありますが、すでに4月後半から真夏日となる可能性があるということです。

 4月から5月までの期間は、エルニーニョ現象などの影響で日本付近は暖かい空気に覆われやすくなるため、気温は東日本と西日本で平年並みか、高くなる予想です。

 

 「真夏日」は、1日の最高気温が30℃以上の日を指す気象用語ですから、4月からしっかりと熱中症防止キャンペーンをするべきと考えましょう。 

STOP! 熱中症クールワークキャンペーン

STOP! 熱中症
STOP! 熱中症クールワークキャンペーン

準備期間中に実施すべき対策

 

 熱中症予防対策としては以下のようなポイントが重要です。4月の準備期間中にできるだけ実施して備えておきましょう。

 

  • 暑さ指数(WBGT)の把握の準備── WBGT 指数計の準備など
  • 作業計画の策定等──特に新入社員、休明け社員への暑熱順化プログラム
  • 設備対策の検討──通風または冷房設備、ミストシャワー等の設置
  • 休憩場所の確保の検討──冷房を備えた休憩場所、テント等の設備
  • 服装等の検討──身体を冷却する機能をもつ服やヘルメットを採用
  • 教育研修の実施──熱中症の啓蒙動画コンテンツなどの活用

 

 → 職場で起こる熱中症の月別発生件数

(厚生労働省の資料による)


動画で学ぶ職場における熱中症予防対策(厚生労働省YouTubeチャンネル)

  

事業用自動車の運行管理者の皆さんへ

■飲酒運転の根絶指導を強化しましょう

 最近、トラックやバスの事業所で、アルコール検知器チェックに身代わり運転者を立てる例が相次ぎ、問題になっています。

 

  

トラック事業所の身代わり検知

 さる3月8日の報道で明らかになったのは、日本郵便グループの物流会社の支店で、ドライバーらのアルコール検査を別の人に受けさせる不正があったということです。

 

 実際のなりすましが発生したのは、2023年の8月で、支店に勤務する20代から60代の配送運転者ら6人が、業務前のアルコール検査を別の社員4人に受けさせていたということです。

 アルコール検知器には身代わりを防ぐためのカメラがついていましたが、6人は自分の顔を撮影しながら、別の社員に長いチューブを使って(顔が映らない角度から)息を吹き込んでもらっていました。

 6人は内部調査に対して「アルコールが残っていないか怖かった。これまでに何回も頼んでいた」などと説明しています。

 

バス事業所でも「身代わり」不正が

 また、さる1月29日大阪市内の鉄道系バス会社は2023年10月~12月にかけて、高速夜行バスで乗車前に行う乗務員の酒気帯び検査の「身代り」が行われたと発表しました。

 同社では、測定結果と検査時の画像を営業所内でモニター確認できる仕組みを導入していましたが、40代の乗務員が50代の乗務員のIDを入力して検査を受け、営業所の管理者が検査時の画像について漫然と確認していたため、見落としが生じました。 

なりすまし検知

点呼の未実施が飲酒運転を誘発

 

 また、国土交通省の資料によると、事業用自動車による飲酒運転事故件数は、平成24年以降横ばいの状況が続いていて、そのなかで運行管理者による点呼前に飲酒していたものの点呼が実施されなかった事例が約4割、点呼後に運転者が飲酒した事例が約5割を占めているそうです。

 最近も、下表のような事故例が報告されていて、予断を許さない状況です。 

 同省では、飲酒運転の根絶に向け、引き続き飲酒運転を未然に防止するためのルール作り等の取組みが必要であると訴えています。

 

 飲酒運転をする運転者はごく一部であり、多くの運転者の飲酒運転根絶意識は高いでしょうが、やはり1人の事故が、事業所全体の信用を失わせることに繋がります。

 点呼時のアルコール検知が形骸化していないか、今一度チェックしましょう。 

酒気帯び確認チェック

■最近の事業用自動車運転者の飲酒運転事故例(国土交通省メールマガジンより)

 大型タンク車の 
 酒気帯び事故

  1月11日(木)午後1時20分頃、山形県山形市の片側2車線の国道にお

 いて、福島県に営業所を置く大型タンク車が乗用車に追突した。

  この事故により、乗用車の運転者が軽傷を負った。事故後、大型タンク車

 の運転者の呼気から0.15mg/l を大幅に超えるアルコールが検知され、酒気

 帯び運転の疑いで警察に検挙された。

 大型トラックの 
 酒気帯び事故

  2月23日(金)午後8時15分頃、長崎県島原市の国道において、鹿児島
 県に営業所を置く大型トラックが信号待ちをしていた軽自動車に追突した。
 この事故により軽自動車の運転者が軽傷を負った。
  駆けつけた警察官が、運転者に呼気を検査したところ、酒気帯び状態で
 あることが確認された。

 大型トラックの 

 酒気帯び事故 

  2月26日(月)午後0時50分頃、山形県新庄市において、縦列駐車中の大

 型トラックが発進する際、後方の駐車車両に接触した。この事故による負傷

 者はいない。

  事故後、駆けつけた警察官が、運転者に呼気を検査したところ、酒気帯び

 状態であることが確認された。

■事業用トラックによる飲酒運転事故の事例分析(国土交通省資料より)

事業用自動車の飲酒運転の状況とその対策について(国土交通省/事故防止セミナー資料)

■自動車運送事業者の点呼の仕組みが変わります(2024年4月施行)

 2024年4月1日から、自動車運送事業の点呼等の仕組みに関して、いくつかの改正が施行されます。

 

 大きな改正としては、まず貸切バス事業者のすべてに対して、点呼実施とその記録方法が大幅に変更されます。

 点呼やアルコール検知の動画保存・画像保存が義務づけられ、点呼記録のデジタル化なども義務づけられます。

 

 また、貸切バス運送事業者、貨物自動車運送事業者に対して、ICT(情報通信技術)機器や先進システムを用いた「遠隔点呼」について、中間点呼での導入や、遠隔点呼の実施可能場所として自動車の車内や宿泊施設、待合所等が認められます。これは義務づけではありません。

 

 このほか、同一事業者内での点呼・運行指示などの運行管理業務についての一元化が認められ、集約営業所(統括する営業所)の運行管理者が他の営業所の運転者に対しても、ICT技術などを活用し、点呼業務や運行指示業務等ができるようになります。

 


対象となる事業者 改正ポイント 施行日
 貸切バス事業者

●点呼の仕組みを改正

 1 点呼記録のデジタル化(電磁的記録で保存)

 2 動画による点呼記録の保存(90日間)

 3 運行記録計をデジタル式に(24年4月以降登録車)

 4 アルコール検知時に画像記録を保存(90日間)

 5 点呼記録、業務記録、運行記録計の記録、運行指示書等

  について、保存期間を1年から3年に延長 など

 2024年 

 4月1日 

 

貨物運送事業者

貸切バス事業者

 

●遠隔点呼を「中間点呼」でも容認

 1 貸切バスの中間点呼に遠隔点呼を導入──夜間に長距離

  運行する貸切バスで、業務途中に義務づけられている電話

  による業務途中点呼にICT(情報通信技術)を活用した

  遠隔点呼の導入も可能とする

 2 トラック貨物の自動車で中間点呼に遠隔点呼を導入──

  業務前点呼と業務後点呼がいずれも対面で行えない場合に

  義務づけられている中間点呼ににICT(情報通信技術)

  を活用した遠隔点呼の導入も可能とする

 3 業務途中の遠隔点呼を実施する場所として、乗務するバ 

  ス・トラック内および宿泊施設、待合所等を認める

 4 なりすまし防止措置として、遠隔点呼実施地点に設置す

  る機器は、従来の「監視カメラ」以外でも動画撮影可能な

  機器を認める(スマートフォンも可)

2024年

4月1日

貨物運送事業者

バス事業者

タクシー事業者

●事業所間で「運行管理の一元化」を容認

 「運行管理高度化ワーキンググループ」による同一事業者

 内の運行管理一元化のための要件が取りまとめられたこと

 を踏まえ、

 ◯集約営業所(統括事業所)の運行管理者から他の営業所

  の運転者に対する、点呼・運行指示等を始めとした運行

  管理業務が一元的に実施できるようになる

 ◯集約する業務や集約時間帯については、運行事業者によ

  って事情が異なることから、事業者による選択を可能と

  する

 ◯一元化を満たす要件については、別途通達で定める

2024年

4月1日

■車内事故防止指導を徹底しよう──国交省が動画を公開

 乗合バスの事故の約3割は車内事故によるものとされています。特に車内事故による負傷者は高齢者が多く、高齢者の車内での転倒は非常に重傷化しやすいとされています。

 そこで、国土交通省はバス車内事故の危険性を分かりやすく紹介する動画を作成して、YouTubeチャンネルで公開し、広く一般を含めた啓発活動を展開しています。

 今回公開された動画には、乗客、一般ドライバー向けなどとともに、バス運転者向けに車内転倒事故の危険性をわかりやすく紹介した動画もあります。車内事故防止指導に活用しましょう。

 

  → バス車内事故防止のための啓発動画(国土交通省)ページにリンクがあります。

 以下は、バス運転者向けの YouTube 教育動画。

 

  

令和6年4月の安全運転管理ごよみ(April/2024.4)

日  付 行 事 等

 1日(月)

 ~30(火

・20歳未満飲酒防止強調月間(国税庁/厚生労働省など)──20歳未満の者の飲酒防止を徹底するため、毎年4月にはポスターや各種媒体を通じて集中的に広報が行われます。飲酒運転に関連した資料も配布されます。

(詳しくは国税庁のwebサイトを参照)

 1日(月)

 ~30(火

・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」準備期間

 厚生労働省が主唱する令和6年の熱中症予防対策キャンペーンは、5月1日から9月30日まで。4月は準備期間として、夏期の暑熱環境下における作業計画の策定などを行なうよう呼びかけています。 

 1日(月)

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)一部改正を適用──令和4年12月23日に改正された告示が、4月1日より適用されます。また、自動車運転者に対しても1日から時間外労働の上限規制が適用されます。

 詳しくは、厚生労働省の関連ページを参照してください。

 4日(木)

・第二京阪3人死亡事故から4年が経過──2020年4月4日昼2時ごろ、大阪府枚方市の第二京阪道路で路肩に2台のトラックを止めて荷台の幌をかけ直す作業をしていたところに後続の大型トラックが追突、20代から40代の男性3人が死亡しました。運転者は不注意で前をよく見ていなかったと供述しています。

 7日

世界保健デー──世界保健機関(WHO)の設立記念日。世界各国で健康的な生活について考えてもらうためのさまざまなイベントが開催されます。

 8日(月)

タイヤの日──日本自動車タイヤ協会が制定。ドライバーにタイヤへの関心を高め、空気圧のチェックなどの啓蒙推進活動を行なっています(タイヤ協会のwebサイトを参照)。

 9日(火)

・4月の製品安全点検日

 経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

 10日(水

法テラスの日(日本司法支援センター)──同センターの設立日を記念して、各地の法テラスでは、この日を中心に弁護士・司法書士などによる無料法律相談会が開催されます。

 10日(水

・瀬戸大橋開通記念日(36周年)──1988(昭和63)年、瀬戸大橋が開通し、本州と四国が橋で結ばれました。

 12日(金)

祇園暴走事故から11年が経過──2012年4月12日、京都市祇園で運転者が発作により車のコントロールを失い軽ワゴン車が歩行者をはねて運転者を含む7人が死亡し12人が重軽傷を負いました。勤め先の会社は倒産しています。健康起因事故への社会的関心が高まり道路交通法改正の一つのきっかけとなりました。

 15日(月)~  

 21日(

第65回科学技術週間──毎年4月18日の「発明の日」を含む1週間は「科学技術週間」と定められています。

 18日(木)

鹿沼クレーン車6人死亡事故から13年が経過──2011年4月18日、栃木県鹿沼市樅山町で「てんかん患者」の男性がクレーン車を運転中、てんかん発作が原因で意識を失い、集団登校中だった児童の列に突っ込み6人がはねられ全員が死亡しました。免許更新時の手続を見直すきっかけの一つとなりました。

 19日(金)

・東池袋高齢ドライバー暴走事故から5年が経過──2019年4月19日、東京・池袋で高齢者(87歳)が運転する車が暴走して歩行者などを次々にはね、自転車の母親(31歳)と幼女(3歳)が死亡、9人が重軽傷を負いました。運転者は事故原因は車の異常だと無罪を主張しましたが、運転者がブレーキとアクセルを踏み間違えたことにより事故が発生したと認定され、東京地裁は禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。その後、被害者の家族の事故防止啓発活動の成果もあり、服役する受刑者(運転者)と家族のコミュニケーションがとられています。

 19日(金)

・地図の日──日本で初めて精巧な日本地図を作った偉人・伊能忠敬が1800年の旧暦閏4月19日に江戸を出発し、蝦夷の地の測量へ出発したことにちなんでいます。別名「最初の一歩の日」とも言われます。

 19日(金)

・穀雨

 22日(月

・アースデイ(Earth Day)──地球環境について考える日として提案された記念日。すでに国連では3月21日をアースデイとして行事等を行ってきましたが、米国の学生を中心に4月22日のアースディ活動が盛り上がり、国連は22日を「国際母なる地球デー(International Mother Earth Day)」と定義しています。

 23日(火

亀岡児童交通死事故から12年が経過──2012年4月23日、京都府亀岡市篠町で小学校へ登校中の児童と引率の保護者の列に無免許運転の軽自動車が突っ込み、計10人がはねられて3人が死亡、7人が重軽傷を負う事故が発生しました。危険運転致死傷罪は適用できませんでしたが、遺族の怒りは大きく、無免許運転事故への罰則強化を図る一つのきっかけとなりました。

 23日(火

知床遊覧船沈没事故から2年が経過──2022年4月23日、北海道斜里町の知床半島西海岸沖で遊覧船が消息を絶ち、船内浸水後に沈没。乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明となりました。強風・波浪注意報の出る中で当船だけが運行し、操船技術の未熟さや装備の不良などの指摘があり、国土交通省の監査や検査の問題点も指摘されました。この後、旅客船事業に対する国の監督強化や、海上保安庁による救難体制強化のきっかけとなりました。

 25日(木

・福知山線JR脱線事故から19年が経過──2005年4月25日、同線の塚口駅と 尼崎駅間で列車が脱線し、運転士・乗客ら107人が死亡、562が重軽傷を負う大事故が発生しました。直接原因は制限速度70km/h を大幅に超えてカーブに進入し、運転士のブレーキ使用が遅れたことにありますが、精神論に偏った運転技術に関する教育の不備や、激しい競争のなかでスピードアップや停止時間の短縮など、JR西日本の経営姿勢が抱える問題が指摘されています。

 28日

洗車の日──自動車用品小売業協会は4月28日を「洗車の日」に制定し、前後にイベント等で洗車を呼びかけています。 

 4と28で「ヨイツヤ(良い艶)」と読む語呂合わせです。

 28日

労働安全衛生世界デー・国際労働災害犠牲者追悼日──「仕事における安全と健康のための世界の日」です。労働災害の犠牲者を追悼し再発防止を図る国際的な記念日として、2002年に国際労働機関(ILO)が国連の国際ディの一つと認定しています。

 29日(

関越道「高速バス居眠り運転」事故から12年が経過──2012年4月29日に群馬県の関越自動車道上り線藤岡ジャンクション付近でツアーバスが防音壁に衝突し、乗客7人が死亡、乗客乗員39人が重軽傷を負う事故が発生しました。

 この事故を契機に、ツアー貸切バス・高速バスの安全対策が強化され「高速乗合バス」に一本化されました。

 29日

・昭和の日

   
 4月上旬 令和5年中労働災害の動向について厚生労働省

 3月上旬~

 4月22日(月)

40回 安全衛生標語の募集──中央災害防止協会。

 「2024年度 年末年始無災害運動標語」、「2025年 年間標語」の募集。 

  締切りは4月22日。詳細は、同協会のWEBサイトを参照。

 ~4月末

・2024年度の「安全衛生標語」募集──陸上貨物運送事業労働災害防止協会。「荷役」「交通」「健康」の3部門で募集し、秋に開催する全国大会で顕彰。締切は4月15日、詳しくは、同協会のWEBサイトを参照。

 2023年12月 

 4月30日(火)

・令和5年度 安全衛生教育促進運動──中央労働災害防止協会(中災防)が提唱し展開する活動。年間計画を定めて、雇入れ時教育、特別教育などの義務付けを踏まえ安全衛生教育の確実な実施を促しています。特にコロナ禍で安全衛生教育が十分行えなかった状況の改善を求めています。

 4月下旬 

 7月

・貸切バスに対する街頭監査の全国一斉実施(国土交通省)──同省では2022年10月に静岡県で発生した貸切バスの横転事故(死傷者計29名)を踏まえ「輸送安全確保の再徹底」を図るため、街頭監査を全国一斉に実施する方針です。

 4月下旬

・2024年3月中の交通事故死者数統計の発表警察庁

 

 ◆4月の日没時刻 国立天文台 暦計算室による)

1日(月

福岡 18:39

大阪 18:19

東京 18:03

札幌 18:01

15日(月

福岡 18:49

大阪 18:30

東京 18:14

札幌 18:17

30(火

福岡 19:01

大阪 18:42

東京 18:27

札幌 18:35

早めのライト点灯で事故防止
「早めにつけよう おもいやりライト運動に
 取り組みましょう!

 4はどんどん日が長くなって、全国で日の入り時刻が6時台となりますが、雨の日には夕方の暗い天気が続くことがあります。

 雨模様の午後は昼間でも薄暮時のような暗さとなりますので、迷わずにライトを点灯し、自車の存在をアピールしましょう。

 また、花見や行楽の観光客が増え歩行者や自転車などがいろいろな場所を歩き回る時期です。夕方に見落とす危険が増しますので、ライトで警戒を与えることは重要です。

  

 あなたが点灯することで歩行者や自転車などからもあなたのクルマが確認しやすくなります。 

「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。


 詳しくは、おもいやりライトのサイトを参照してください

 

 JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
 JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。

 ※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください

 

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