2012年

12月

14日

運転業務の偏りや運転者の過労に配慮しよう

 最近、過労運転や居眠運転による事故が多発し、運転者だけでなく、事業者に対しても社会的な批判が巻き起こっています。
 トラックやバス・タクシーを運行する青ナンバーの事業所だけでなく、一般の自家用自動車事業所についてもそれは同様です。

 車を運んでいた自動車販売会社の従業員や介護施設の従業員による居眠運転が疑われる事故が発生しています。


 過労運転や居眠運転を防止するためには、どんな努力が必要でしょうか?どの事業所にも共通することは、特定のドライバーに業務が偏っていないか、まず労働時間の管理や運行のバランスを見直すことです。

 

運転業務の過渡な負担がないかチェック

トップや管理者が居眠運転の恐ろしさを自覚する

無理をする運転者を手放しに褒めない

運転業務の過渡な負担がないかチェックしましょう

★過労による事故事例① 一般事業所★
 一瞬の居眠りで、介護送迎車が道路外に転落


 2011年9月8日福島県喜多方市で、介護施設の送迎ワゴン車が道路から道路脇の雑木林に転落し、89歳と95歳の高齢者2人が死亡する事故が発生、運転者を除く施設の利用者7人も重軽傷を負いました。
 運転していたのは施設の介護士(29歳)でした。自動車運転過失致死傷罪で逮捕され、警察の調べに対して「仕事の疲れもあり、眠くなってしまった」と供述しました。緩やかな右カーブにさしかかったとき居眠して、ガードレールの無いところから道を外れるように転落してしまったのです。

 介護送迎車では、夕刻に利用者を自宅へ送り返すときに交通事故が多発しています。事故要因の一つとしては、昼間のデイサービスなどの世話で疲労した介護士に運転業務も任せているケースが多いことです。

 若く元気そうに思える人でも、夕方は疲労がかさみミスも多くなりますので、運転業務はなるべく専従の運転者に任せましょう。介護士などに依頼するときは、1日の業務シフトを調べて、負担がかからないように配慮する必要があります。

 年末を迎え、特に疲労がたまりやすい時期です。介護施設に限らず、どの事業所でも、運転業務のシフトを決めるときは以下の点をチェックしておきましょう。

 

 ★管理者が依頼しやすい従業員に運転が集中し、偏りが生じていないか

 ★忙しい人に業務が集中しがち。運転業務も集中していないか

 ★臨時の運転業務が入ったとき、頼む人間を決めていないか

 ★健康状態などの観察をキメこまかくしているか

トップや管理者が居眠運転の恐ろしさを自覚する

★過労による事故事例② (運送事業)★
 東名高速で居眠運転のトラックが衝突、高校生ら3人死亡!


 2011年2月15日、愛知県豊橋市の東名高速道路下り線で、渋滞で停車中の車両4台に中型トラックが衝突、男女高校生を含む3名が死亡し7名が負傷する悲惨な事故が発生しました。
 この事故で、居眠運転をしていた24歳のトラック運転者が逮捕され、名古屋地裁で懲役5年4月の実刑判決を言い渡されています。
 事故翌日には勤務先の運送会社に強制捜査が入り、過労運転の下命・容認と労基法違反の疑いで延べ136日間に及ぶ取り調べが実施されました。
 その結果、次のような処分がくだされました。
 ●運送会社 営業所長(34歳)逮捕労働基準法違反 罰金30万円
 ●運送会社 法人両罰 労働基準法違反 罰金30万円
 ●国土交通省処分 運送会社営業所に対し、 
          1週間の業務停止/車両3台100日使用停止 

 事業用自動車に関しては、事業所のトップに対して、過労・居眠運転の恐ろしさを自覚してもらうことが大切です。

●過労運転事故で管理者・経営者の逮捕も!
 トラックやバスの過労運転による死亡事故では、運転者の逮捕、実刑判決は珍しくありませんが、近年は運送事業者にも即日強制捜査が入り、管理者や経営者の逮捕なども目立ちます。企業責任を立証するための厳しい追及が行われているのです。


 過労運転の下命・容認の立証が難しいケースでも、警察署が労働基準監督署や管轄の運輸支局と連携し、労働基準法違反で立件するケースもみられます。

●運送事業者としての信頼を失う

 関越道でバス死亡事故を引き起こした陸援隊の場合は、道路運送法など関係法令に関して28種類に及ぶ法令違反が明らかになり、すでに社長が有罪判決を受けています。

 

 トラック事業所の場合も、居眠運転事故などを発端とした強制捜査と運輸局・労働基準監督署の監査により、ずさんな運行管理が明らかとなります。

 事業停止などの処分だけでなく、会社に警察の捜査が入ることにより、荷主や元請企業の信頼を失って、仕事を失う例も少なくありません。

 

 まさに、企業を守るためにも、過労運転の防止努力は重要になっています。

無理をする運転者を手放しに褒めない

●上司が無理をする運転者を評価していませんか?

 運送会社のドライバーの多くは、「延着」を嫌います。荷主も配車担当者も喜ばないし、何よりも自分自身のプライドが許さないのです。
 そこで、無理なスケジュールでも急いで走行したり、眠いのを我慢して徹夜し、何とか延着を防ごうと努力します。
 そして、実際に時間通りに到着すると、荷を受けた方は「ありがとう!よく時間通りに着けたな」と感激するでしょうし、運行管理者も延着せずに到着したことを誉めることが少なくありません。

 

●「延着しない」ことにはすごい達成感がある
 同僚も「あいつは、すごい!」と一目置いてくれます。
 こんなとき、ドライバーは非常に誇らしい「達成感」を感じるそうです。そして、実は居眠り運転でウトウトを繰り返し、命がけで何とか走行していても、そんなことは表に出さなくなります。

 物流技術研究会の会長で、みずから運転者の安全管理も行う丸山利明氏(タカラ物流システム㈱)は、「こんなドライバーの行動を賞賛していては、やがて居眠運転事故につながる」と警鐘を鳴らします。
 予想以上に速く到着した場合は、誉めるのではなく、むしろ、「なんでそんなに速く着けたのか?」と運行の内容をチェックするべきだと言います。

●誤った評価が居眠運転の温床に

 手放しに誉めることで、それは誤った成功事例となり、「無理をしても延着しないことが求められている」という誤った意識をドライバーたちに植えつけてしまうことにもなるからです。

 延着しなかった事実を誉め称えることが事業所の「風土」となり、ドライバー全員がその方向に走りだすからです。

 

●勇気を持って眠るドライバーを褒めよう
 丸山氏は、運行中に眠くなれば延着しても構わないことを強調し、「眠くなったら勇気を持って寝るドライバーこそ、本当のプロドライバーなんだ」と諭すといいます。

 延着しないことより、自らの判断で仮眠をとる行動を誉める姿勢を示しています。

 こうしたドライバー指導の実際について、詳しくは、タカラ物流システム(株)のWEBサイトも参照してください。

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