2012年 8月の運転管理

■暑さ・疲れからくる「うっかり事故」を防止しよう!

 暑い時期ですので、ドライバーの心身の疲労が大きくなり、ぼんやり・うっかりして、危険の発見が遅れたり、見落としなどが増える時期です。
 タオルで額の汗を拭きながら運転していたトラックドライバーが、交差点での右折時にタオルで死角になったところを歩いてきた横断歩行者を見落としたといった事故例もあります。
 また、昼食後に眠気を催すことなども多くなりますので、前月同様、居眠り運転の防止指導にも力を入れましょう。

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「うっかり」ミスは原因ではなく「結果」

漠然とした目標では事故防止はできない
漠然とした目標では事故防止はできない

 交通事故のほとんどは、ヒューマンエラーが直接原因となって起こっています。「うっかり」わき見をして見落としてしまった……、相手の意思を勘違いしてしまった……といった原因です。
 しかし、こうしたヒューマンエラーは実は結果であって、真の原因ではありません。

 ですから、「ヒューマンエラーを防ごう」といった漠然とした目標では、事故防止はできません。

 

 うっかりしたヒューマンエラーを起こすメカニズムに着目して、何故わき見をしたのか、何故勘違いをしたのかといった真の要因をつかむ必要があります。
 さらにその真の要因は、「他のドライバーでも再び起こりうる」リスクであることを意識し、ヒューマンエラーから遠ざかる仕組みを考える必要があります。

「うっかり事故」は自覚すれば防ぐことができる

 「なぜ、わき見をしたのか」に気づくことで、人は同じようなわき見運転をしないように気をつけることができます。たとえば、伝票が助手席にあったのでわき見をしたのであれば、そもそも、伝票を助手席に置かないような仕組みを考えて、予防することが可能です。

 また、出先でトラブルがあり次の訪問先への到着が遅れそうになったために、先急ぎ運転をして見通しの悪い交差点で一時停止を怠るようなケースもあります。遅れることがわかった時点で、事務所から連絡して先方に確認をとり到着時間を遅くしてやれば、ドライバーは落ち着いて運転することができます。ヒューマンエラーを起こしにくいようなシステムを作っていきましょう。
 「ゆとりを持って運転しろ」と言いながら、ゆとりの取れない環境をそのままにしているようでは、結果としてヒューマンエラーが発生しやすい危険を放置することになります。

夏場特有のヒューマンエラーに配慮を

 夏場は、暑い屋外とエアコンのきいた車内の温度差からくる疲労感や、日差しが強いことによる目の疲労、水分のとりすぎによる夏バテなど、体調を崩しやすい時期です。
 とくに、暑さによる睡眠不足が運転に与える影響は深刻です。それだけヒューマンエラーが起こりやすい季節だと考えましょう。

 ドライバー自身が、早めに就寝することや、軽い運動でストレスを解消する、栄養バランスのとれた食事をとるなど、体力増強を図るなどの自己防衛をすることも重要です。

重点推進項目

【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】

高速道路会社でも危険を喚起している
高速道路会社でも危険を喚起している

■高速道路における歩行者事故防止
 平成24年に入ってから、高速道路での交通事故が増えています。なかでも目立つのは、燃料ぎれやタイヤトラブルなどで停止した車両に衝突したり、本線車道に降車した人がはねられる事故が依然として多発していることです。
 警察庁や高速道路会社も、警戒を呼びかけていますが、今月はレジャーや帰省などで高速道路を走行する車が増えますので、とくに注意を促しましょう。
 本線車道でのトラブル発生時は、次の3点を守りましょう。


 ・ハザードランプと発炎筒・三角表示板等で後続車に危険を知らせる
 ・降車して安全な場所に避難する
 ・110番か道路緊急ダイアル#9910または非常電話で通報する

■二輪車事故防止指導

 8月19日はバイクの日です。二輪車や原付利用者が多い事業所ではライダーの運転指導などに取り組みましょう。
 また、四輪ドライバーには対二輪車事故防止の指導にも取り組みたいものです。
 四輪車対二輪車の事故では右折対直進時の交通事故が多発しています。また四輪車対原付事故では、見通しの悪い交差点での出会い頭事故が多発する傾向が強くなっています。
 いずれも、互いの安全確認不足が主な原因となっています。とくに四輪車ドライバーには二輪車が見落とされやすいことを意識させましょう。

■猛暑日は作業の見直しを
 暑い日のなかでも特に35℃度以上の猛暑日には、WBCT値について計測を行って、熱中症防止のため作業計画などの見直しを検討しましょう。


 屋外での荷の積込み等はできるだけ避けて、やむを得ない場合は、簡易な屋根の設置、スポットクーラーの使用、単独作業の回避などを検討します。

 また管理部門では事務所から出るのを嫌い現場のチェックが疎かになりがちですが、管理・監督者が頻繁に現場の巡視を行うことで熱中症などの防止に役立ちます。

 

■夏休みの子どもの安全確保

 生活道路における子どもの事故が多発して、社会的な問題となっています。夏休み中は朝夕の通学・通園中の事故の危険は減少しますが、道路で遊ぶ子どもが増えるので、日中の事故の危険が増すことをドライバーに意識させましょう。
 また、レジャー客が増え、山間部や海沿いの道路上など思わぬ場所に子どもの歩行者がいるケースも考えられます。

 

 具体的には、時速30キロ規制の生活道路のゾーンには、なるべく入らないような経路の設計をすることです。また、自転車などの飛出しを警戒して、見通しの悪い細街路での一時停止の徹底を呼びかけましょう。

 

■秋の全国交通安全運動の準備

 9月の交通安全運動(21日~30日)について準備を進める時期です。
 上半期の交通事故の発生状況などを参考に、職場ごと、営業所ごとの安全目標などを考えておきましょう。
 運動期間中に地元活動のボランティアなどに協力する場合は、早めに人選をしておきます。上半期に違反・事故のあったドライバーや職場などから参加を促すと効果的です。
 また、安全運動時に配布する資料や掲示物などの制作も早目にして、9月に入ったら職場に配布できるように手配しましょう。

 

8月の管理ごよみ(2012年)

 

1日(水)~

31日(金)

・「道路ふれあい月間」 

   国土交通省では、毎年8月を「道路ふれあい月間」として、道路の正しい利用や道路愛護活動の推進に努めています。

推進標語(最優秀作)

 「一本の 道に日本の 底力」「いつの日も 歩きたくなる 道がある」 「つなげよう 僕の道から きみの道」

1日~31日

 「食品衛生月間」

 平厚生労働省では、毎年食中毒の発生しやすい8月に食品衛生管理の徹底を呼びかけています。
1日(水)

・夏の省エネ総点検の日

1日(水)

・第47回    交通安全子供自転車全国大会

4日(土)~

5日(日

第45回 二輪車安全運転全国大会(主催:全日本交通安全協会)──全国47都道府県代表の二輪ライダーが三重県鈴鹿市・鈴鹿サーキットも集まり、全運転技能と交通マナーを競います。
5日(日 ・タクシーの日

7日(火

・立秋

10日(金

・道の日

14日(火) ・8月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っている。
19日(日)

バイクの日

20日(月)

 

・交通信号の日──昭和6年=1931年のこの日、東京の銀座、京橋に3色の交通信号機が設置されました。

23日(木)
・処暑
26日(日) ・平成24年度第1回 運行管理者試験

30日(木)~

9月5日(水)

・防災週間
   
8月上旬 平成24年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について (警察庁)
8月中旬

平成24年7月末における交通事故発生状況公表(警察庁)

8月下旬

・お盆時期10日間の交通事故発生状況(警察庁)

・「自動車点検整備推進運動(9~10月実施)」の広報

 

◆8月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)

1日(水) 福岡 19:18 大阪 19:00 東京 18:45
15日(水)

福岡 19:05

大阪 18:46 東京 18:31
31日(金) 福岡 18:45 大阪 18:26 東京 18:10

暦のうえでは、すでに秋。日没時刻も日に日に早まっていきます。
関東では、5時台に入ったら、九州でも6時には点灯を!

今日の安全スローガン
今日の朝礼話題

10月10日(木)

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