改正道路交通法が施行されます──2020年4月1日施行

■高速道路の安全な流出入と「自動運転」実用化に伴う規定の整備

 令和元年6月に公布された改正道路交通法のうち施行されていなかった部分が、自動運転の実用化を目指す措置に伴い令和2年4月1日から施行されます。同時に道路交通法施行令も改正されます。

 

1 加速車線・減速車線の最高速度を本線と同じ速度に

流入時に加速車線上で本線と同じ速度にすることが可能に
流入時に加速車線上で本線と同じ速度にすることが可能に

 高速道路や指定自動車専用道路の本線車道の最高速度は、原則として100km/hであるにもかかわらず、道路交通法施行令の規定で加速車線・減速車線の最高速度は、60km/hに制限されていました(欧米の高速道路にはみられない規制です)。

 この規定が見直され、本線車道と同じ速度で走行できるようになります。

 

 従来の規定では、加速車線の最後の地点まで、あるいは減速車線の最初の地点などで正直に規制速度を守ると、本線車道の車の通行を阻害する速度で進入したり流出する危険があります。

 そこで、自動車教習所などでは「本線車道を通行する自動車の進行を妨害してはいけない(道路交通法75条の6)」という法の規定を強調して「十分に加速する」などと表現し、加速車線の最高速度規定に関しては明確な指導はしていませんでした。

  

 すでに実態として多くの運転者は安全のため少なくとも80km/h程度にするなど、加速車線上で走行車線の流れの速度に加速して高速道路に流入しています。今回の改正により、本線の車と同じ速度で堂々と流入したり流出することができるようになります。

 

 警察庁や国土交通省などが自動運転の実用化を検討する段階で、自動運行システムが60キロ規制の標識を読んだりプログラム上の規制が生じて、加速車線で60キロまでしか加速できなかったり、減速車線で急減速をしたりする恐れがあることが指摘されました。

 60キロ規制を放置すると人間が運転している車と自動運転車との間で速度差が生じて、流入・流出路で渋滞が発生したり危険な状態になることが予測されます。そこで矛盾を解消するため、自動運転の実用化に伴い遅ればせながら実勢速度に合わせる改正となったわけです。

 

 ところで、運転経験の浅い初心運転者などは60km/h以下でなければ流入や流出をしてはいけないと思い込んでいるかも知れません。法令改正はよい機会ですので、高速道路における安全な流入・流出方法について運転者と意見交換し実践的な指導を行いましょう。 

 

高速道路の最高速度に関する規定の改正──2020年4月1日施行

改正前

【道路交通法施行令 第11条】

……高速自動車国道の本線車道以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車は時速60キロ毎時、原動機付自転車は時速30キロ毎時とする

【施行令 第27条】

1 ……自動車が高速自動車国道の本線車道を通行する場合の最高速度は、次の各号に掲げる自動車の区分に従い、……(以下略) 

 

 

 

 ……緊急自動車が高速自動車国道の本線車道を通行する場合の最高速度は、(中略)……に関わらず時速100キロ毎時とする。 

 

改正後

【施行令 第11条】

……高速自動車国道の本線車道、並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車は時速60キロ毎時、原動機付自転車は時速30キロ毎時とする

【施行令 第27条】

1 ……自動車が高速自動車国道の本線車道又はこれに接する加速車線若しくは減速車線を通行する場合の最高速度は、次の各号に掲げる自動車の区分に従い、……(以下略) 

 

 

 ……緊急自動車が高速自動車国道の本線車道又はこれに接する加速車線若しくは減速車線を通行する場合の最高速度は、(中略)……に関わらず時速100キロ毎時とする。


 

2 自動運転(レベル3)の実用化に伴う使用条件違反の新設(法並びに施行令の改正)

 改正道路運送車両法が4月1日に施行され、自動運行の実用化に取り組むことに伴い(当面はレベル3の自動運転)、自動運行装置の条件を満たさない(条件から外れた)状況で自動運転システムを使用することを禁止し、罰則を設けました。

 レベル3の自動運転はスピードや天候といったシステムの使用条件から外れた状況での使用は危険ですので、条件に満たない自動運転を防ぐ目的です。

 道路交通法施行令も改正され、違反点数・反則金の規定が整備されました。

 

 罰則 3月以下の懲役または5万円以下の罰金

 違反基礎点数 2点 

 反則金 大型車1万2千円・普通車9千円・二輪車

 7千円・原付6千円

 

3 作動状態記録装置の不備、整備不良(法並びに施行令の改正)

 同じく、自動運転の作動状態を記録する装置の設置を義務づけ、装置等の不備により自動運転中の走行データを正確に記録できない車の運転を禁止し、装置の整備不良を含めて罰則、違反点数・反則金規定が整備されました。

 

 

 罰則 3月以下の懲役または5万円以下の罰金

 違反基礎点数 2点 

 反則金 大型車1万2千円・普通車9千円・二輪車

 7千円・原付6千円

■作動装置による記録の規定の新設──2020年4月1日施行

法第63条の2の2

作動状態記録装置による記録等) 

 

 

 

 

 

 自動車の使用者その他自動車の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、自動運行装置を備えている自動車で、作動状態記録装置により道路運送車両法第41条第2項に規定する作動状態の確認に必要な情報を正確に記録することができないものを運転させ、又は運転してはならない。

 自動運行装置を備えている自動車の使用者は、作動状態記録装置により記録された記録を、内閣府令で定めるところにより(6か月間)保存しなければならない。 


■自動運転の遵守事項規定の新設──2020年4月1日施行

法第71の4の2

(自動運行装置を備えている自動車の運転者の遵守事項等) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自動運行装置を備えている自動車の運転者は、当該自動運行装置に係る使用条件(道路運送車両法第41条第2項に規定する条件をいう。次項第二号において同じ)を満たさない場合においては、当該自動運行装置を使用して当該自動車を運転してはならない。

 自動運行装置を備えている自動車の運転者が当該自動運行装置を使用して当該自動車を運転する場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、当該運転者については、第71条第5号の5の規定は、適用しない。

  当該自動車が整備不良車両に該当しないこと

  当該自動運行装置に係る使用条件を満たしていること

  当該運転者が、前二号のいずれかに該当しなくなつた

  場合において、直ちに、そのことを認知するとともに、

  当該自動運行装置以外の当該自動車の装置を確実に操作

  することができる状態にあること。 


■自動運転車使用に関する罰則の新設──2020年4月1日施行

・自動運行装置使用に係る違反

(整備不良・使用条件違反等)

・作動状態記録装置不備 

 

 3月以下の懲役または5万円以下の罰金

 


 (道路交通法第63条の2の2、第71条の4の2の規定に違反した場合の罰則)

■自動運転車の使用に関する違反点数・反則金の新設──2020年4月1日施行

・自動運行装置に係る整備不良車両

 の運転禁止違反

・自動運行装置使用条件違反

 ──天候や道路(高速道路に限る

 等)が満たされない状態で運転 

・作動状態記録装置不備

 ──記録装置が正常に働かない状

 態で自動運転車を使用 

 

 

 違反基礎点数 2点

 反則金 大型 12千円

     普通 9千円

     二輪 7千円

    小特等 6千円

 違反基礎点数 2点

 反則金 大型 12千円

     普通 9千円

     二輪 7千円

    小特等 6千円


  ※道路交通法施行令 別表第2及び別表第6の改正

■自動運転に関する改正ポイント──2020年4月1日施行

・「自動運行装置」の定義を道路交通法に明記 (道路交通法第2条 第1項 第13号の2)

・自動運行装置の作動が「運転」にあたることを規定 (道路交通法第2条 第1項 第17号)

・自動運行装置の条件から外れた運転や装置の整備不良車運転を禁止し、作動状態記録装置の

 設置、記録の保存を義務づけ (道路交通法第63条の2の2)

・(当面、レベル3の自動運転について)運行中のスマートフォン・携帯電話によるメール、

 パソコン作業、読書、食事等は違反とはならないが、自動運行システムが故障などしたり、

 システムの条件に合わない状況となった場合、「直ちにそのことを認知して確実に車の操作

 をできる状態にある」という条件付き (道路交通法第71条4の2 第2項)

今日の安全スローガン
今日の朝礼話題

4月6日(月)

サイト内検索
運行管理者 安全運転管理者 出版物 教材

──新商品を中心に紹介しています


──ハラスメント、ビジネスマナー教育用DVDの取扱いを開始しました

運行管理者 指導監督 12項目 トラック 貨物運送事業所
交通安全 事故防止に役立つリンク集
SSD研究所 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理
安全運転管理.COM 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理 教育資料 ドライバー教育 運転管理

当WEBサイトのコンテンツの利用、転載、引用については「当サイトのご利用について」をご覧ください。