11月に入ると秋も深まり、薄暮時や夜間の事故が増える時期です。運転者の皆さんは、夜間、歩行者との事故に注意して運転してください。
管理面では、夜間の交通事故を防止するため、ヘッドライトの使用方法について指導しておきましょう。
健康面では、気分が落ち込みやすくなる季節であることに注目し、「季節性うつ」に注意しましょう。
11月の安全運転目標
歩行者との
交通事故防止
11月の重点管理目標
ハイビームの
活用推進
11月の健康管理目標
季節性うつ病に
注意
■その他の管理・指導項目 ■運行管理者の皆さんへ ■11月の安全運転管理ごよみ
●歩行者との交通事故防止
早めのヘッドライト点灯を実践
秋から年末にかけては、夜間、歩行者との事故が増加します。なかでも、11月から12月にかけては65歳以上の高齢者との事故が多くなります。
運転者の皆さんは、まずは早めのライト点灯を実践することで、自車の存在を周囲にアピールすることに努めてください。
また、高齢歩行者の事故の特徴として、道路の横断方法に違反がみられることが少なくありません。
夜間は、信号無視をしたり、横断歩道以外の場所を横断してくる歩行者がいることを頭に入れ、安全運転を心がけましょう。
●ハイビームの活用推進
危険を早期発見するために
夜間に多発する、道路を横断する歩行者との事故を防止するためには、歩行者の早期発見が欠かせません。
そのためには、ハイビームのこまめな使用を指導してください。具体的には、暗い道路で、対向車や先行車がいない場合には、ハイビームを積極的に使用させましょう。
一方、市街地や先行車・対向車がいる場合は、ロービームで運転しなければなりません。
ハイビーム、ロービームのどちらか一方だけを使って走行するのではなく、状況に応じて使い分けることをしっかりと指導してください。
●季節性うつ病に注意
日光を意識的に浴びよう
だんだんと日照時間が短くなる秋から冬にかけては、気分が落ち込みやすくなる「季節性うつ」が発症しやすい季節です。
季節性うつの主な症状としては、仮眠や過食、強い倦怠感などが挙げられます。
季節性うつは、春が近づく3月ごろになると自然と改善することが多いようです。
対処法としては、主に日照時間の減少が関係しているため、日光を意識的に浴びること、規則正しい生活を送ることが重要です。
季節によってこのような症状が繰り返されている場合や、セルフケアで改善されない場合には、早めに専門医へ相談するようにしてください。
※この記事は、以下のサイトを参照しました。
●厚生労働省 「こころの耳」
11月に入ると急に気温が下がり、初雪が観測される地域もでてきます。
降雪・積雪してから焦ることがないように、タイヤチェーンの点検やスタッドレスタイヤへの履替え、雪道用のグッズの準備などをすすめておきましょう。
とくに、タイヤの交換は、積雪予報が出てからでは遅いので、気温に関わらず計画的に実施しておきましょう。
混雑時の急いだタイヤ交換は、整備工場であってもミスが起こる可能性があり、大型車では脱落事故に結びついています。
また、出発する地域は全く雪の降らない地域であって、運転者が気温の低い地域に出張する場合は想像力を働かせた万全の措置が必要です。
遠地出張して車を借りる運転者には、レンタカー予約時にスタッドレスタイヤが装着してあるか、最近の路面状況(凍結がないか)などをチェックさせましょう。
降雪地では、車から降りるとき滑って転倒し足を骨折するといった事故も起こっています。寒冷地用の靴や滑り止め(靴用スタッドレススパイク)を持参させること等にも注意してください。
●タイヤ交換時期はとくに注意
後を絶たない大型車の車輪脱落事故を防ぐため、国土交通省は、大型トラック、大型バス(※)を使用する自動車運送事業者に対して、「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を実施しています。
令和6年度の車輪脱落事故発生件数は120件で、前年より22件減少しました。しかしながら車輪脱落事故に伴う人身事故は3件発生しており、前年より増加しています。
例年、車輪脱落事故は冬用タイヤへの交換など車輪脱着作業から1~2ヶ月後が大半を占めており、積雪予報が発せられた直後に交換作業が集中し作業ミスが発生しやすい状況にあります。
そこで、余裕を持って正しい脱着作業が実施できるよう、積雪を待たずに、整備管理者が中心となって計画的な冬用タイヤ交換作業を実施することを呼びかけています。
自社で大型車のタイヤ作業交換を行うときは、作業者に、タイヤ脱着作業管理表に沿って作業を実施させ、その結果を記録させましょう。
このほか、近年、車輪脱落予兆検知装置が開発されています。国からの補助を受けることもできますので、検討してみましょう。
防ごう!大型車車輪脱落事故(ドラマ編)
【車輪脱落防止】ホイールナットの緩み点検方法
日 付 | 行 事 等 |
1日(土)~ 30日(日) |
・過労死等防止啓発月間(過重労働解消キャンペーン)──厚生労働省が主唱し、著しい過重労働や賃金不払残業の撲滅に向けた監督指導や電話相談(0120-794-713/9時~17時)などを実施します。 ★適正な労働時間の把握 ★36協定の周知 |
1日(土)~ 30日(日) |
・エコドライブ推進月間──警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省で構成するエコドライブ普及連絡会は、11月をエコドライブの推進月間として積極的な広報を行いエコドライブ研修会などを通じて普及・推進を図ります。詳しくは、環境省のWEBサイトを参照してください。 |
1日(土)~ 30日(日) |
・フォークリフト等の特定自主検査強調月間──フォークリフトなど荷役運搬機械や建設機械は資格を持つ検査者による年1回の「特定自主検査」が必要、その啓蒙月間です(詳しくは、建設荷役車両安全技術協会のWEBサイトを参照してください)。 |
1日(土)~ 14日(金) |
・「危険物の荷卸し時における相互立会いの推進」全国キャンペーン──石油連盟、全日本トラック協会 タンクトラック・高圧ガス部会などの共催。石油や高圧ガス等の荷卸し時に荷卸・荷受双方の危険物取扱者立会いを行い、事故防止の徹底を求めています。 |
3日(月) |
・文化の日 ──旧「明治節」、戦前は明治天皇の誕生日であることで祝日となっていました。1946年に日本国憲法が公布された日であり、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、1948年(昭和23年)文化の日となりました。 |
5日(水) |
・津波防災の日(世界津波の日)──この日は1854年の安政南海地震による津波が和歌山県を襲った際の「稲むらの火」の逸話にちなんでいます。津波が襲ったとき、濱口梧陵(儀兵衛)が取入れの終わった稲わらに火をつけて、村人を安全な場所に誘導したという実話があります。津波の脅威を共有し対策を進めるため、2015年に国連でも制定されました。 |
7日(金) |
・立冬──24節気の一つ。暦の上での冬の始まり。日の光が弱くなり、朝夕など冷え込む日が増えてきます。 |
9日(日) |
・119番の日──消防庁が電話番号「119」に因んで1987(昭和62)年に制定しました。 |
9日(日)~ 15日(土) |
・秋季全国火災予防運動──火災が発生しやすい時季を迎え、119番の日から1週間、全国の消防本部等が火災予防を訴えます。 スローガン「守りたい 未来があるから 火の用心」 |
10日(月) |
・いい点灯の日──「おもいやりライト事務局」が企画する一斉点灯の実施日。11.10(イイ テン トウ)の語呂合わせから。 |
14日(金) | ・世界糖尿病デー ── 国連が2006年採択しました。厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、日本には合計で総人口の15%を超える約2,000万人の糖尿病患者および予備群がいると推定されています。血糖値管理を徹底して低血糖症状などによる意識喪失事故を防ぎましょう。 |
16日(日)~ 1月10日(土) |
・第64回「正しい運転・明るい輸送運動」
全日本トラック協会主催──詳しくは、全ト協のWEBサイトを参照してください 。 |
16日(日) |
・世界道路交通被害者の日(毎年11月第3日曜日)
交通事故被害者の救済及び、交通事故予防のための取組みの重要性を啓発するための国際デー。2005年10月26日の国連総会決議で毎年11月の第3日曜日と定められました。詳しくは「世界道路交通被害者の日」世界事務局のWEBサイト を参照して下さい (Victimsを犠牲者と訳す場合もあります)。 ※The World Day of Remembrance for Road Traffic Victims |
21日(金) |
・名神高速道スマホ脇見事故から8年──2017年11月21日滋賀県の名神高速道路上でスマートフォンで運行計画アプリなどを操作して10秒間もわき見し、渋滞に気づかないまま乗用車などに追突し4人が死傷しました。 刑事裁判で裁判長は「通常の過失態様を逸脱する運転」と批判し「一般的な過失運転の量刑では軽すぎる」として、検察の求刑(禁錮2年)を上回る「禁錮2年8月」の実刑判決を言い渡し、注目されました。 |
22日(土) |
・小雪 |
23日(日) |
・勤労感謝の日──第二次世界大戦前は新嘗祭(にいなめさい)の日とされていましたが、戦後のGHQ占領政策によって天皇行事・国事行為から切り離される形で「勤労感謝の日」に改められました。 |
24日(月) |
・振替休日 |
28日(金) |
・東名高速飲酒運転死亡事故から26年──1999年11月28日、東京都世田谷区の東名高速道路東京IC付近で、家族4人が乗った普通乗用車に飲酒運転のトラック(高知県の運送会社)が追突、乗用車が炎上し幼い女児2人が死亡しました。事故の捜査過程でトラック運転者の常習的な飲酒運転が判明し、社会に大きなショックを与え飲酒運転の罰則強化に結びつくとともに、遺族らの粘り強い活動はその後の「危険運転致死傷罪」成立に大きな影響を与えました。 |
11月中旬 |
・2025年9月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
11月下旬 |
・2025年9月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
11月下旬 |
・2026年使用 交通安全年間スローガンの公表 毎日新聞紙上、全日本交通安全協会ホームページなど |
◆11月の日没時刻 (国立天文台 暦計算室による)
1日(金) |
福岡 17:27 |
大阪 17:05 |
東京 16:46 |
札幌 16:27 |
15日(金) |
福岡 17:16 |
大阪 16:53 |
東京 16:34 |
札幌 16:11 |
30日(土) |
福岡 17:10 |
大阪 16:47 |
東京 16:28 |
札幌 16:01 |
11月の日暮れは早い地方では4時台、遅い地域でも5時をすぎればすぐ日没です。周囲はあっと言う間に暗闇に包まれてしまいます。会社に戻る前に薄暮となり、マイカー通勤車両は夜間運転になることを意識して、早めに点灯しましょう。
夜が長くなると歩行者や自転車を見落とす危険が増し、夜間事故が増加します。
また、11月は急激に気温が下がり、朝晩に路面がうっすら凍結することがある月です。ヘッドライト光の反射のし方で凍結に気づくこともありますので、気をつけましょう。
あなたが点灯することで歩行者や自転車などからもあなたのクルマが確認しやすくなります。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light
のサイトを参照してください