2013年 5月の運転管理

■行楽期の交通事故を防止しよう

 5月はゴールデンウィークなどもあり、行楽ドライブの車が増える時期です。高速道路や郊外のバイパスなどでの交通事故が起こりやすくなっています。

 

 高速道路では、とくに行楽ドライブの車などに配慮するとともに、従業員が私用運転時に事故を起こすことがないよう、安全運転指導を徹底しましょう。

 

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■高速道路の佇立者などに要注意

 平成24年の交通死亡事故は全般的に減少しましたが、その中で高速道路上の死亡事故は顕著に増加しています。

 なかでも増加が目立つのは、高速道路の本線上に故障などのため停止していた車にぶつかったり、車から降りて立っていた人(佇立者)に衝突した事故です。

 24年中の高速道路死亡事故は196件(死者数225人)発生していますが、そのなかで本線車道に降り立った人と車が衝突した事故が37件、停止した車にとどまっていて衝突され死亡した事故が12件発生し、合わせて49件(+9件)です。

 死亡事故の4件に1件が佇立者などの事故であることをドライバーによく認識させ、

 ●高速道路上でも、停止している車両がある

 ●停止車両の付近に乗員がいて危険が大きい

ことを予測する必要があることを強調しましょう。

■トラブル発生時の措置を指導しておこう!

 「佇立者等事故」には以下のような特徴があります。

 ●単独事故などが発生してから数分後に衝突している

 ●三角停止板などの停止表示器材の表示がない

 ●車の回りに運転者や同乗者が立っていて被害にあう例が多い(図参照)

 警察庁の調査によると、49件の死亡事故のうち、単独事故などを起こしたドライバーが「自ら停止表示器材を表示した」例は1件のみでした。

 

 このようなことがないように、高速道路などで故障・事故で停止した場合の正しい措置について、もう一度徹底しておきましょう。 

 

●左の図は、警察庁の資料をもとに作図しました(※)。

 

●高速道路の本線上で人がはねられた事故(車両が伴う場合のみ)では、車の右側にいたケースが最も多く(36%)、故障車両などの右側に立つ行為は非常に危険であることがわかります(平成23年~24年発生事故)。

 

●ただし、車の左側や前後でも事故が発生していますから、高速道路の本線や路肩上で安全な場所はないと考えましょう。


【緊急事態が発生した場合】
●緊急事態発生時には、発炎筒や停止表示器材を
 速やかに表示して、 安全な場所に避難します。
●路肩ではなく、ガードレールの外側など安全な
 場所に、速やかに避難しましょう。
●本線上に立ち続けたり歩いたりすることはもち
 ろん、車内に留まる行為も大変危険です。
●たとえ、大雨、極寒、猛暑でも、車外の安全な
 場所に避難してください。
●路肩に停止した場合でも同様です。

※“緊急事態発生後の避難措置いかんが「生死の分岐点」” 警察庁交通局交通企画課

 高速道路管理室)より

【高速道路ではこんな佇立者事故も発生している!】

 平成24年8月12日早朝、東名高速道路で、左カーブの路肩にワゴン車を停め、右側のドアを開けて車の中を見ようとしていたドライバーが後続の大型トラックにはねられて死亡する事故が発生しました。
 このドライバーは家族ドライブ中に、車の中に「ムカデがいる」と家族が騒ぎ、路肩に止まって探していて事故にあいました。
 高速道路での停車は事故の発端となるので、やむを得ない場合以外は停車は禁物です。

■重点推進事項

【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】

■整理・整頓・清潔の徹底

 社有車の清掃と整理・整頓に関する指導を行うとともに、車両清掃チェックを実施して、整理整頓への意欲を高めましょう。

 ある事業所では、毎月、車両清掃チェック時に写真撮影して車両台帳ファイルに添付し、営業所長や支店長などに回覧しています。車内が乱雑なドライバーは仕事の整理や確認もずさんで、ミスが起こりやすいので、管理職から注意を促してもらうためです。

 この事業所では、ボディの小さなこすり傷やバンパーの損傷なども調べて報告しています。たとえ軽い接触でも物損事故を報告しないドライバーは、いずれ人 身事故を起こす危険があります。どのような場面でこすったのか(左折時に見落としがあったなど)原因分析と対策・指導が重要です。

■通勤における安全運転の確保

 マイカー通勤時の交通事故についても、安全運転指導を徹底しましょう。

 通勤災害防止は従業員の安全を守るために重要です。また、通勤時の交通事故であっても、企業が損害賠償責任を負うことがありますので、注意しましょう。

 通勤規程を定めて、通勤車両による業務先への直行直帰や、連絡業務などに通勤マイカーを使用しないことなどを徹底しましょう。

 

 また、自転車通勤者が増加傾向にあるので、原則として車道の左側を通行することや、歩道走行のマナー、交差点での一時停止と安全確認など自転車の安全指導を行うことも重要です。自転車の損害賠償保険の付保なども義務付けておきましょう。

【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】

■監査・処分の強化に備えてコンプライアンス遵守を目指そう

 今年度は、自動車運送事業者に対する「監査・処分」の方針が強化されます(今秋実施予定)。強化の主なポイントは以下の3点です。

 安全性には自信のある事業所においても、危機管理意識を高め、今一度社内体制を点検しておきましょう。

●「更生」から「排除」の論理に転換

●「即処分」が可能に

「悪質運送事業者リスト」を作成して重点監査

■「更生」から「排除」の論理への転換

  従来の国土交通省のスタンスは、運送事業者を育成するために、違反があっても「更生」を促すというものでしたが、最近の有識者への諮問会議などの論調では、今後はコンプライアンス違反をする事業者には業界から出て行ってもらおうという「排除」の論理が明確になり、そのための監査・処分の徹底を目指す方針となっています。 

 「優良な事業者が努力している一方で、ろくに点呼も点検もしない事業者が競争に参加しているのはおかしい。コンプライアンスを守る事業者だけで競争をする業界にしていきましょう」という論調で、今後は「点呼の未実施「運行管理者の不在」「監査拒否」「名義貸し」「長時間運転」等については、悪質なコンプライアンス違反としてますます厳しくチェックされます。 

 

■「即時の行政処分」が可能に

 従来は、監査後に処分が発動されるまでに一定の期間を要していましたが、今後は監督官の権限を強化し、監査の過程で重要な法令違反などが発覚した場合は、その場で是正を勧告、応じられない場合は即座に処分を実施できるようにする方針です。

 営業停止処分を受ける事業者が増えるのは確実とみられています。

 

「悪質運送事業者リスト」を作成して重点監査

 今後は、法令違反の疑いのある事業者をリスト化し、監査を優先的に行うことになります。

 また、事業許可の取消処分を受けた事業者の役員名などもリストで管理されます。別会社で新たに役員に就任した場合は、別会社に処分歴がない場合も、重点的な監査が行われます。各地の運輸局でデーターベースを共有し、リストに乗った役員が別の事業者を起こした場合は重点的に監査を行うためです。

 事業許可の取消処分を受ける前に事業を廃業してしまえば、新たに会社を設立するのは法的には可能ですが、即座に監査を受けるという仕組みになります。

■5月の管理ごよみ(2013年/平成25年)

 日  付   行 事 等

1日(水)~

31日(金)

消費者月間

──毎年5月は「消費者月間」です。事業者、行政が一体となって消費者問題に関する啓発・教育等の各種事業を集中的に行っています。

 なお、消費者安全法に基づく報告義務のある重大事故は 消費者庁ホームページで毎週、公表されています。乗合バスやタクシーの乗客被害、自動車の火災なども含まれます。

1日(水)

・メーデー

3日(金)

・憲法記念日

4日(土) ・みどりの日
5日(日)

・こどもの日

・立夏──24節気の一つ。夏の気配が感じられるころ。

6日(月) ・振替休日

6日(月)~

12日(日)

・世界交通安全週間──国連が提唱する世界的な交通安全キャンペーン。全世界では、毎週5千人以上の歩行者が交通事故のために死亡していると言われていますが、キャンペーン期間中は歩行者の交通事故死をゼロにすることを目標にしています。

7日(火)

・5月の製品安全点検日

──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

12日(

・母の日──第2日曜日

・看護の日──12日を含む1週間(6日~12日)は看護週間

22日(水)~

24日(金)

・自動車技術会 2013年春季大会/学術講演会・人とくるまのテクノロジー展

──於:パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい1-1-1)

※詳しくは同会のWEBサイトを参照してください。

24日(金)~

6月14日(金)

運行管理者試験(第1回)の申請期間(インターネットによる申請は3日まで/試験日8月25日(日)──詳しくは、こちらを参照)
26日(日) ・東名高速道路全通記念日──1969年のこの日、東名高速道路の大井松田IC・御殿場IC間が開通、東京から愛知県小牧市まで346km全線が開通しました。
31日(金)

・世界禁煙デー ── 禁煙週間は6月6日木曜日まで。詳しくは厚生労働省のWEBサイトを参照してください。

 

………………………………………………………………………… 

5月中旬 ・平成25年4月末における交通事故発生状況の発表(警察庁)

5月中旬~

下旬

・平成25年春の連休時における交通事故発生状況(警察庁)

・自動車保険データにみる交通事故の実態報告書 

 /2011.4~2012.3(日本損害保険協会)

5月末日

・自動車税の納付期限

 
 

 

  ◆5月の日没時間 (国立天文台天文情報センターによる)

1日(水) 福岡 19:01 大阪 18:43 東京 18:27
15日(水)

福岡 19:12

大阪 18:54 東京 18:39
30日(木) 福岡 19:23 大阪 19:05 東京 18:51

少し日が長くなってきました。6時台から7時台にかけて日没です。
明るいと思っても、5時半には点灯をしましょう!

「おもいやりライト」のWEBサイトも参照してください。

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10月11日(金)

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